2020年10月8日木曜日

モザンビークのお話 (Vol.1) 横田 美保 

 




こんにちは。Global Bridge NetworkGBN)の横田美保です。今年はコロナの影響でイベントの開催・参加ができず、皆さんとお会いする機会が持てないので、私を含めGBNスタッフはとても残念に思っています。

<ウガンダ以外のアフリカの国を知っていますか?>

さて、GBNはこれまでウガンダにおいて活動を行ってきましたが、アフリカ大陸には、現在54の国(AU加盟国数)があります。皆さんは、モザンビークという国を知っていますか?もしかしたら、ニュースなどで名前を何となく聞いたことがある人もいるかもしれません。アフリカにはたくさんの国がありますが、日本では個々の国については、知られていないのが現状です。そこで、私が2009年から20185月までの約9年間駐在していたモザンビークの魅力について、お話させてください。

 2010年モアンバ郡ボンドイア村にて

<モザンビークってどんな国?>

モザンビークは、マダガスカルの対岸に位置し、ウガンダと同じ東アフリカ(地図では水色)にカテゴリーされています。国土は日本の約2倍、南北に長い国なので、日本のように北と南では気候、文化、方言などが大きく異なります。人口は約2,949万人(2018年:世銀)です。インド洋に面した海岸線は2,000㎞もあり、サンゴ礁、手つかずの美しいビーチが残る自然の宝庫です。季節は涼しい乾季と蒸し暑い雨季(12月~3月頃)の2つしかありません。

首都のマプトに住んでいたときには、乾季(1年の中で寒い時期)は長袖にジャケットが必要なくらい寒くなりますが(暖房はありません)、北部カーボデルガド州のペンバに住んでいたときには、ほぼ1年中半袖とサンダルで過ごせるくらいの気温で(北部はより赤道に近いので)1年のうち半分くらいは、日本の最も暑い8月と同じような非常に蒸し暑い気候でした。それなのにインフラが脆弱で頻繁に停電するので、扇風機もクーラーも止まってしまうこともしばしばで、蒸し風呂のような事務所で業務にあたることも多かったです。

2011年マカネタビーチにて

 <歴史>

1498にポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマがモザンビークに到達してから、ポルトガル人の入植がはじまり、300年以上にわたりポルトガルの植民地支配下にありました。そのため、公用語はポルトガル語です。

第二次世界大戦後も植民地支配を継続していたポルトガルに対抗するため、1962年にモザンビーク解放戦線(現政権与党・FRELIMOの母体)が結成され、1975625日に独立を果たしました。しかし、その後米ソ冷戦下の代理戦争である内戦が約17年間にわたって起こり、国土は再び戦渦に見舞われました。

2009年モアンバ郡シニャンガニーネ村にて回収された武器と地面に突き刺さった不発弾

1992104ローマにおいてモザンビーク包括和平協定が調印されました。同年12月には国連安保理決議により国連モザンビーク活動(ONUMOZ)が設立され、19951月まで約2年間の和平プロセスが実施されました。日本からはONUMOZに対し選挙監視要員、司令部要員、及び輸送調整部隊としてアフリカで初めて自衛官が派遣されました。

内戦が終結した後は、比較的安定した政情のもと、戦後の復興と、経済・社会の開発が進展してきました。しかし、同国には、内戦中に冷戦をバックアップしていた米ソを始めとする国々から大量の武器が流入したため、その武器(銃・ミサイル・地雷など)が民間に残されてしまいました。この武器を市民の手で回収し、生活物資と交換することで武装解除・平和構築を進める取り組みが行われました。この取り組みについては、次回お話します。

内戦を戦った政府与党フレリモと、野党レナモの間には政治的な緊張関係が存在し続け、中部・北部州においては、しばしば武力衝突が起こってきました。2017年に両政党間で和平交渉を進めていくための合意がなされ、この合意が今後も継続していくかが注目されています。

ここまでお読み頂きありがとうございます。



信長はその黒人男性を「弥助」と名付け、武士の身分を与えて家臣にしたと伝えられています。弥助は訪日した最初のアフリカ人とされています。狩野内膳の 『南蛮人渡来図』には、日本に到来した宣教師などが黒人奴隷の召使いを従えている様子が描かれています。



日本とモザンビークの繋がりは、なんと16世紀に始まりました。

次回は日本とモザンビークの意外な関係についてお話しますのでお楽しみに!

(Vol.2に続く)


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2020年9月23日水曜日

【スタッフから報告】コロナ禍におけるウガンダの現状

バイクタクシーのドライバー(マスク着用)

COVID-19、コロナ禍においては、今や先進国、途上国に関わらず世界中に悪影響を及ぼしています。ウガンダにおいては、6,468名の感染者が出ており、2,731名は回復しましたが、63名が死亡しました。(2020年9月22日現在)

詳しい情報はこちら:

上記の数だけ見るとウガンダの状況は、そこまでひどい数値ではありませんが、死に関わるウイルス感染者の数というのは世界中に警告を発しているといえます。コロナ禍の影響は既に、特に貧困、農村地域の読み書きできない女性や子どもなど立場の弱い人々に犠牲を強いています。

現在のウガンダのコロナ禍における状況は、とてもリスクが高いといえます。それは、他の国と比べてということではなく、もしウガンダで病気にかかり治療が必要な状況になっても、医療資源が不足しています。ウガンダは3月末にはロックダウンが施行され、大統領により、さらに21日間、また14日間と、ロックダウンは延期されました。実際のロックダウンの期間は2020年4月15日~5月5日まで続き、公共の場所ではマスクの着用を命じられ、この規制は7月以降に緩和されていきました。


ロックダウン中の首都カンパラ
(普段は人と車でごった返している)


閑散とした街並みの風景

閑散とした街並みの風景

コロナの予防策として、大統領は3月18日付で、公共で集まること、特に感染者の多い州への出入りは昨今まで禁止しており、また空港閉鎖も続いています。しかし、間もなく空港はオープンになるという噂ですです。学校はまだ閉鎖しており、生徒達は教育を受けられない、もしくはインターネットを通じたe-learningを行っています。しかし、ほとんどのウガンダの家庭ではインターネットにアクセスすることは非常に難しい状況です。(高額な料金やネット環境の悪さから)

2020年5月まで、商売のほとんどは閉鎖されていました。食品市場は続いていましたが、公共交通機関を使っていると疑われるため(外出すると警察に取り押さえられ、ムチで撃たれる)多くの売り子は家に帰ることもできずに、お店や売り場で寝泊まりしていました。工場、自動車修理、金物店、金属加工などの少数のビジネスについては5月5日に再開が許され、一方でヘアサロンや商店街は7月27日まで閉鎖されていました。今では少しずつ再開しています。


食料配布


手洗いの指導


マスクをする人々 

ウガンダの経済のほとんどは非公式レベルなので(公式経済部門と違って、課税されず、国民総生産(GNP)統計にも表れない)、ロックダウンの経済的影響の規模を図ることはできません。しかし、収入の減少や貧困はとても厳しい状況です。2020年7月からの調査結果によると、カンパラ(ウガンダの首都)における非公式ビジネスのほとんどは、ロックダウンの間は収益がなく、貯金を切り崩し、政府からの食料支給に頼るか、生き延びるために家族や友人からの助けを求めていました。

コロナ禍により、多くの出来事が起きています。いつこのコロナ禍が終息するか誰にも分かりませんが、いつかは必ず終わりが来ます。

私たちは、全ての状況が良くなるよう願ってやみません。


セキット アラファト
モビライザー
2020年9月23日



2020年6月29日月曜日

祝☆GBN設立4周年を迎えました!



皆様、こんにちは!

GBNも早4年目となりましたー!時が経つのはあっという間です。



よかったら年次報告をご覧ください♪    ☛ 年次報告書2019



アフリカ・ウガンダで実施している以下2つのプロジェクトは無事に3期目を終えることができました。

・生理で学校に行けなくなる女の子の教育環境改善事業女の子の環境改善

・レモングラス栽培を通した環境保全・教育事業環境保全と地域活性化


残念ながら、レモングラスプロジェクトは3年で完結となりました。

なかなか進まなかったレモングラスエッセンシャルオイルを用いた商品開発・・・

正直「現地は何やってんのよー」とハラハラしていました・・・

が、最後の最後に、良い意味で裏切られました!

なんと!!マラリア予防にもなるレモングラスエッセンシャルオイルの「蚊よけジェル」を開発しましたー!!

商品の説明をしているSORAKスタッフ

レモングラスエッセンシャルオイルの蚊よけジェル




さすがSORAK! 私たちのパートナー!! 


現地では大好評だったとのことで、これからビジネスとして進めていく予定です。

環境保全プロジェクトの3年間の総まとめのレポートは以下でご覧になれます。

環境保全事業_3年間総括報告書

また、アジア学院(栃木県)にて農村指導者研修プログラム2019年4月から9か月間)に参加したSORAKのマネージャーHadijahのレポートもぜひご覧ください!

Hadijahのアジア学院における研修レポート


さてさて、現在の状況をお伝えしますと、今年度は新型コロナの影響で、現時点では活動はストップ状態です。まさかこのような状況になるとは、今年初めは想像もできませんでしたね。



今年度はエッセンシャルオイルのソーシャルビジネスのスタートを予定していたのですが、今は保留状態です。



また、生理で学校に行けなくなる女の子の教育環境改善事業も、現時点では助成金がストップしています。



このような状況になりましたが、私たちはこれからどうしていくかを考える良い機会ととらえ、活動できる状況になったときに動けるように準備を進めています。



焦っても仕方がない、時期が来て出来る時が来たらまたやればいい・・・と思っています。



と言いつつ、一つだけ進めようとしている小さなプロジェクトがあります!

スラム地域の子ども達から「学校行きたい、勉強したい」と強い要望があった「貧困地域の子どもの教育支援」







今回は皆さまから頂いた寄付、それからイベント等の収益を活用させていただき。自己資金で実施いたします。

小さなプロジェクトですが、「トライアル」としてスタートし、ニーズに応じて拡大していけたらと思っています。具体的な内容はまた改めてお知らせします。


最後になりますが、皆さま、新型コロナの影響で大変な思いをしている方もいらっしゃると思いますが、くれぐれも身の安全を第一に、無理はしないで頑張りましょう☆


この先にどんな未来がくるのか、色々と考えてしまいますが、なるようになるしかない。良いことばかりじゃないけど悪いことも永遠に続くわけはない・・・

なので、今を乗り越えた先、私たちに幸せな未来が来ることを祈っています☆



今後どうなるか先が見えない状況ではありますが、引き続きGBNをよろしくお願いいたします。


Global Bridge Network
大西 麻衣子

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2020年5月20日水曜日

【Hadijahのアジア学院における研修レポート】

 私たちのパートナー団体であり、ウガンダのムベンデ県で活動する現地NGO・SORAK Development Agency(SORAK)よりプロジェクトマネージャ―のハディジャ(Hadijah)が来日し、アジア学院(栃木県)にて農村指導者研修プログラム2019年4月から9か月間)に参加しました。




アジア学院(ARI)、世界中の農村地域の指導者の対象とした指導者養成専門学校で、栃木県県北に位置する6ヘクタールのキャンパスを中心として、毎年農村指導者研修プログラムを実施しています。研修プログラムでは「サーバント・リーダーシップ (人に仕える指導者)」、「共同体形成」、「持続可能な農業」の分野で、農村指導者の能力開発を支援することを目指しています。

ハディジャは、コミュニティ教育と成人教育に関する学位を持っており、これまで青少年エンパワーメント、HIV/AIDSの予防と治療、シングルマザーなどの社会的立場の弱い女性の支援、性と生殖に関する健康と権利の促進プロジェクトなどの経験を積んできました。

2019年4月よりARIの研修プログラムに参加し、持続可能な農業・畜産をはじめとする様々な知識・技術、リーダーシップ・コミュニティ ビルディング等のスキルを身に付けることが出来ました。

また、ホームスティを通した農家の人々との交流や、西日本へのスタディツアーでは広島の平和祈念館などを訪問するなど、日本の様々な側面に触れる機会もありました。

彼女の9カ月間の研修の様子は、下記のレポートでご覧いただけます。

彼女が日本で学んだこと、感じたことはもちろん、日本で学んだスキルを自国でどのように応用できるかや、自国のジェンダーの課題なども考察しています。

本当に読み応えのある素晴らしいレポートなので、ぜひご覧ください!


<レポート一覧>







  
日本在住ウガンダ人と研修修了のお祝い















日本で得た素晴らしい経験を一刻も早くSORAKのプロジェクト、ウガンダコミュニティの発展に活かしたいという強い思いを抱いて、ハディジャはウガンダに帰国しました。

GBNとしても、彼女が日本で学んだことを現地で存分に活かせるよう、今後有機農法をはじめとする環境保全型農業プロジェクトを検討しています。


日本で学んだことを現地で活かせてこそ、彼女の研修が意義あるものになると思いますので、今後ともできる限りサポートしていきたいと思っております。



このような学びの機会を与えて下さったアジア学院、並びにハディジャの研修を支援してくださった皆様に心より感謝いたします。





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