2022年2月28日月曜日

【女の子の教育環境改善】2022年1月マンスリーレポート「Happy-Padプロモーションセンター、ラジオトークショー、学校設備修繕の準備」

 

学校で月経時の衛生管理にきちんと取り組んでいくために必要なことや、月経時の衛生管理の詳しい内容についてプロジェクトマネージャーがコミュニティに対し啓発している。(ムベンデ県)

Happy-Padプロモーションセンター、ラジオトークショー、学校設備修繕の準備

<活動状況>

1.     ワキソ県でのHappy-Padプロモーションセンターの設立

2.     女子教育と再利用可能な生理用布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショー実施

3.     学校施設の現状における課題リストの作成(修繕箇所の検討)

4.     各県10校ずつ、全対象校(30校)の学校施設の状況把握作業

 

1. ワキソ県でのHappy-Padプロモーションセンターの設立

Happy-Padプロモーションセンターとしてふさわしい場所として、ワキソ県マトゥッガにあるKatalemwa中等学校に設立することにした。事務局長が賃貸借契約を締結し、初月の賃料を支払った。施設は現在利用に向けて改装を行っている。


2. 女子教育と再利用可能布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショーの出演

トークショーのトピックは、SORAKが作成し3県で共有した原稿をもとにラジオトークショーを実施した。原稿にはスタッフそれぞれがショーの中で発言すべき内容を示したものである。ラジオのスポットメッセージ(コマーシャル)については事前に台本を用意し、放送前に収録しておいた。

 

n  ムベンデ県

1月2519:0020:001時間、ムベンデのHeart FMでラジオのトークショーを実施した。ショーには事務局長、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサー、ボランティア員が出席し、それぞれ用意した原稿に基づき重要事項についてトークした。

n  ワキソ県

ラジオトークショーは2月に実施予定。

n  ブタンバラ県

コミュニティ内のラジオ番組を通してトークショーを実施した。129日に「Voice of Kikambwe」で、 130日には「Voice of Butende」にて放送した。トークショーには事務局長、プロジェクトオフィサー、活動対象地域の一つであるブテンベ準群の女性議員がゲスト出演した。

 

3. 学校施設の現状における修繕リストの作成

本事業は各県の全対象校30校において衛生管理に関わる学校設備の改善を担っている。それぞれの学校にて、学校長と共に具体的にどこを修繕すべきか明らかにする必要があると考え、SORAKのプロジェクトマネージャーが学校施設におけるチェックリストを用意し、各地域のプロジェクトオフィサーはそのリストに基づき各学校の修繕点をリストアップした。

 

4. 各県10校ずつ、対象30校の学校施設の状況把握作業

プロジェクトオフィサーは各県の対象校30校すべてを訪問し、現状の修繕点をまとめた。ムベンデ県とワキソ県の学校訪問は126日~28日の3日間で、ブタンバラ県では125日~27日の3日間で実施した。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

ラジオ番組では以下の結果が得られた。

Ø  プロジェクト対象者のみならず広い聴衆に対して本事業を紹介する機会となった。これは対象外の様々なリスナーが電話参加したことによって明らかとなった。

Ø  リスナーは本事業が月経時の衛生管理を対象としていることに感謝し、女子の教育環境の改善に期待を示した。

Ø  他の地域にある学校への事業拡大を希望する者や、再利用可能な布ナプキンの作成方法を学べるよう依頼する者もいた。

Ø  NGOと政府の関係が強化された。ブタンバラ県で準群の女性議員がボランティアでラジオ出演を申し出たことからも事業が政府に快く受け入れられ支持を得ていることがわかる。本事業は県内や対象地域内で広く受け入れられると予想される。

 

修繕点の調査では以下の結果が得られた。

Ø  学校経営者にとって、事業計画を理解し受け入れの準備を始める機会となった。また全ての対象校において事業に対する期待が高まった。

Ø  実際の現場で改善が必要な施設(洗面所、更衣室、水タンク)を特定することができた。

 

<直面した問題>

Ø  一年で最も暑く、乾燥し、ほこりっぽい1月に学校から学校へ長距離移動すること。

Ø  JICAが関連していることからもどこの学校も本事業へ過度な期待を寄せられた。まずは全関係者が本事業に懸命に取り組む必要があり、そうすることで今後さらなる支援を得ることが可能になると説明した。

Ø  ワキソ県ナブウェルにあるKanyange 小学校の校長は校内の写真撮影に関して懐疑的で、プロジェクトオフィサーがジャーナリストではないかと疑い、確認するよう副校長に指示を出した。プロジェクトオフィサーは信頼を得るために自治体からの紹介状を発行し、その後撮影許可を得ることができた。

Ø  プロジェクトチームが学校施設の修繕ポイントを確認している間に子どもたちがトイレなどを使用する必要があり、作業が難航した。子どもたちが教室から出ている朝食や昼食などの時間帯を避け、授業中まで待機したり、別の学校訪問を試みたりした。

 

<教訓>

Ø  学校において月経時の衛生管理に取り組んでいくためには更衣室の存在が非常に重要であるにもかかわらず、どの対象校にも設置されておらず、全校で導入する必要があることが明らかとなった。

Ø  基本的に衛生状態が非常に悪く、トイレや洗面所に水タンクなどの適切に機能する給水装置が設置されている学校はなかった。

Ø  ほとんどの学校において水や衛生施設は男女共用であり、プライバシーが確保できない状況にある。

Ø  ラジオトークショーは、夜に放送されるとより大きな反響を得ることができる。

Ø  コミュニティ内でプロジェクトが認知されることは本事業の成功につながる。

Ø  村だけでなく県レベルの指導者との関係が築けたことは良い結果であり、事業が受け入れられ継続していくためにはこれを維持すべきである。


  <関係者のコメント>



<活動写真>























<学校施設>






































過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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2022年2月5日土曜日

【告知】オンラインイベント~SDGsよこはまCITY 冬~にて 「生理が原因で学校に行けなくなる女の子達のお話(ウガンダ)」オンラインセミナーを開催します。

2月20日(日)開催の~SDGsよこはまCITY 冬~にて、NPO法人Global Bridge Networkはセミナーを開催します。




現在、GBNは「ウガンダの生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」を実施しています。代表の大西が2015年にウガンダの女子生徒を巡るこの問題に出会い、本格的に取り組むために法人を立ち上げました。昨今世界で、日本で注目されるようになった生理にまつわる問題にGBNが取り組むことになった経緯、生理を巡るウガンダの女子生徒の現状と教育機会の関係等についてお話しします。是非、ご参加ください!





◆日時:2月20日(日)1回目10:30-11:30、2回目15:30-16:30(Zoom開催)
(2回は同じ内容で実施いたします)

◆内容:セミナー・報告会


※お申し込みは、SDGsよこはまCITYのイベントサイトになります。登録すると全ての団体のイベントのZoomリンクへのアクセスができるようになります。

◆GBNウェブサイト:https://globalbridgenetwork.org/






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2022年1月26日水曜日

【女の子の教育環境改善】2021年12月マンスリーレポート「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」

202112月 JICA 月次レポート 「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」

女子生徒とのグループインタビュー(FGD)
(ムベンデ県カサナ小学校)

対象地域におけるベースライン調査のデータ収集

n  ワキソ県   2021112930日、12月1日 

n  ブタンバラ県 2021112830日、121日 

n  ムベンデ県  20211223日 

 

<活動状況>

対象地域である各県の学校、政府関係者、スクールコミュニティ(学校運営委員・PTA)からベースライン調査のデータ結果を集計した。データは、各学校の女子生徒153人に対して実施したオンラインアンケート、男子生徒、女子生徒、スクールコミュニティを対象にそれぞれ実施したフォーカスグループディスカッション(FGD)、学生・指導者・学校運営委員・政府関係者とのキーインフォーマントインタビュー(KII)を元にしている。

また、本事業の全対象校(30校)において、チェックポイントを記したチェックリストを用いて各校のトイレ、洗面所、更衣室、水源等のWASHWater Sanitation and Hygiene:水と衛生)施設の状態を視察し、データを収集、更に各学校の出席率を調査するため、チェックリストを用いて、男子生徒と女子生徒の出席率を比較し、生理を理由に中退する生徒がいるかを調査した。

調査結果は定量データを定性データと比較するためにSTATAを使って分析し、その後報告書のドラフトとしてGBNに提出した。


ムベンデ県では、県の学校調査官、対象校の校長、学校運営委員長とのインタビュー(KII)を実施した。またグループディスカッション(FGD)を2校(KasasaKasana)、オンラインアンケート及びKIIを学校5校(Kasana CUChrist the KingIkulaKasasaCAWADISA)にて実施した。

ブタンバラ県では、県教育長、県の学校調査官、ゴンべ地区書記官、ンガンド準群長、ブロ準群長とのインタビュー(KII)を実施した。グループディスカッション(FGD)を2校(Kiwala UMEANkokoma)、オンラインアンケートとKIIは5校(KiwalaNkokomaKitagobwa CatholicLwamasaka UMEANtolomwe UMEA)にて実施した。 

ワキソ県では市の教育長、副教育長、対象校の学校長、学校運営委員とのインタビュー(KII)を実施した。グループディカッション(FGD)を2校(Maganjo UMEAKigoggwa)で、オンラインアンケートとインタビュー(KII)を5校(Jinja KaroliManganjo UMEASsangaKitungwaBuwambo)にて実施した。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

調査対象であった生徒や政府関係者、学校運営委員との連携が取れていたおかげで、データの収集作業は順調に進んだ。

ムベンデ県では対象校の校長がスタッフや生徒に働きかけてくれたことで調査作業がスムーズに進んだ。さらに県の役人も調査への協力に積極的であり、様々な支援をしてくれた。

ブタンバラ県では県の教育長が対象校の校長と連絡をとってくれたおかげで、生徒や学校運営委員、スクールコミュニティの協力が円滑に得られた。

ワキソ県でも全ての学校長が我々を歓迎してくれた。中には他団体による同様のプロジェクトを経験したことのある学校もあったが、本事業を通して設置できていないミシンが導入できるという点に関して非常に喜んでいることがわかった。学校長をはじめ政府関係者もとても協力的で、意欲的に参加してくれ、データ収集にアクセスしやすくなるようにプロジェクトチームを導いてくれた。

ムベンデ、ブタンバラ、ワキソ、いずれの県でも本事業は歓迎され、女子生徒の出席率において効果をもたらすとして期待されている。また、多くの生徒を抱える学校においても他から援助を受けられていない学校もどちらも支援する事業だという点においても注目された。

 

<直面した問題>

Ø  データ収集の時点では出席率チェックリストに必要な情報が埋められていない状態の学校もあったが、後日連絡をとり期日までに提出してもらった。

Ø  コロナウイルスによるロックダウンを受け、教員を呼び出すことが非常に困難であった。これは多くの教員が学校閉鎖の中でも生活費を稼ぐために移動していたからである。しかし学校長に連絡を取り合ってもらい、決められた日時に無事参加できた。

Ø  コロナウイルス自体も問題の一つであったが、すべての県において消毒液やマスクの使用、密を避ける等の基本的な感染対策を徹底することで対処した。

 

<教訓>

Ø  今回訪問した中で焼却炉を完備している学校は一校もなかった。そのため、使い捨ての生理用ナプキンを使用している生徒は使用済みナプキンをトイレに捨てており、トイレ内に溜まったナプキンを取り出すのに余計な費用が掛かっている現状があった。

Ø  生理が女子生徒の欠席理由になることを認識していない教員もいた。多くの場合、女子生徒は恥ずかしさなどから生理を理由に欠席することを明言しないが、医療関係者からの証明が提出できなければ欠席したことに対して罰を受けてしまうことがある。


ンガンド準群長とのミーティング及びインタビュー(KII)
(ブタンバラ県ブロ準群)
校長とのインタビュー(KII)
(ブタンバラ県ブロ準群ブレ小学校)
女子生徒とのグループインタビュー(FGD)
(ブタンバラ県チワラ小学校)
男子生徒とのグループインタビュー(FGD)
(ムベンデ県カサナ小学校)
女子生徒とのグループインタビュー(FGD)
(ムベンデ県チガンド準群イクラ小学校)
校長とのインタビュー(KII)
(ワキソ県ゴンべ地区サンガ小学校)
女子生徒とのグループインタビュー(FGD)
(ワキソ県ナンサナ市ナブウェル マンガンジョUMEA小学校)

<関係者のコメント>

ブタンバラ県ンガンド準群、準群長マリアム氏

「イスラム教徒が多数を占めるこの地域では父親が家庭を複数持つ一夫多妻であることが多いです。月経時の衛生管理について父親たちが理解するようになれば、より大きな影響が期待できるはずです。地方に住む少女たちが生理の対処法として水の入ったたらいに座ることで血液を処理するものと信じているのは大変悲しいことであります。」

ブタンバラ県ゴンべ町議会、 書記官イドリス・ワルゲンべ氏

「コミュニティにいる男性は月経時の衛生管理における考え方を変えていく必要があります。これは宗教指導者などの発言に影響力のある方に依頼すれば簡単ではあるのですが、とりわけこのムスリムコミュニティでは全てのステークホルダーの考え方を変えていかなければなりません。地域の指導者と宗教指導者、両方の協力が必要です。」


ワキソ県ナブウェル、マンガンジョUMEA小学校校長とのインタビュー(KII)にて

「私はこの事業が(コロナ禍の後)間もなく再開される学校に合わせて実施できること、そしてこのコロナ対策期間において特に政府から強く言われている水と衛生の課題に取り組む内容であることを嬉しく思います。」




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「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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2022年1月2日日曜日

【女の子の教育環境改善】2021年11月マンスリーレポート「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」

202111月 JICA 月次レポート 

表敬訪問の様子(左から順にブタンバラ県、ワキソ県、ムベンデ県)


対象地域における事業計画の導入及びベースライン調査

■20211116日~1122日(事業の導入)

■20211129日~126日(ベースライン調査のデータ収集)

 

<活動状況>

活動の対象地域であるワキソ県・ブタンバラ県・ムベンデ県、それぞれの県の最高責任者であるCAOChief Administrative Officer)と連携を取りながら、事業の導入を始めた。まず、CAOへ表敬訪問の際には、(JICAからの)CAOへの紹介状、Global Bridge NetworkGBN)、JICA, SORAKとの間で交わしたミニッツ(合意書)や事業計画書などの書類を持参し、本事業の説明・紹介をした。その際に、各県の地方政府にて、以下の学校を対象校として選抜してもらった。                 下記、*各県にて選抜した対象校(全30校)参照

以下の各県にて選抜された対象校にて、ベースライン調査を開始した。データ収集の作業は126日まで継続する。よってベースライン調査の詳細は、12月の月次報告書、及びベースライン調査報告書にて明らかにする予定である。


*各県にて選抜した対象校(全30校)> 

ムベンデ県

ワキソ県

ブタンバラ県

² Christ the King Nkadwa

² Kabbowa primary school

² Kasaana Church of Uganda

² COWADISA primary school (Kibalinga Sub- County)

² Kategga Primary School

² Dyangoma Primary School

² Ikular Primary school(Kigando Sub- County)

² Kiyiita primary school

² Kassasa Primary School

² Gwanika primary school (Nabingoola Sub- County)

² Lwadda Church of Uganda primary school

² Kitanda Church of Uganda primary school

² Ssanga Church of Uganda primary school

² Buwambo Church of Uganda primary school

² Kirolo UMEA primary schools

² Kigoogwa Moslem primary school

² Kitungwa church of Uganda primary school (Gombe Division)

² Maganjo UMEA primary school

² Jinja Karoli primary school

² 10-Kanyange Mixed primary school (Nabweru Division)

² Butalunga Catholic School

² Butende UMEA

² Kitagobwa Catholic School

² Lwamasaka UMEA

² Kiwala UMEA (Ngando Sub- County)

² Nkokoma Catholic School

² Nawango Church of Uganda

² Bule UMEA (Bulo sub-county)

² Ntolomwe UMEA

² 10-Kayenje Catholic School in (Gombe Sub- County)


<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

本事業は女子生徒が安心して通学できるような状況の改善に希望が持てると各県で歓迎された。また、本事業は様々な学校、例えば、在校生が多い学校も、支援がほとんど受けられていないような学校も、いずれの学校も支援する事業であると認知された。

 

ブタンバラ県ではこの事業がきっかけとなり、女性調査官を募集・雇用する必要があると認識した。これは本事業が女性に関連する内容であるにも関わらず、県内の教育管理部には女性が一人も在籍していないことに気付いたからである。これを受け、CAOは月経時の衛生管理事業における経過観察をより効果的に行うことができる女性調査官をすぐに雇用するとの意向を示した。また本事業の実施者であるJICAGBNSORAKWASHWater, Sanitation and Hygiene:水と衛生)実施においても重要なパートナーになると認識された。

 

ムベンデ県では、県の学校調査官が女子生徒の出席率向上につながる活動だと喜んだ。特に本事業は長期ロックダウン後の現在にふさわしいプロジェクトであるとし、SORAKをはじめとするパートナーに感謝を示してくれた。

 

ワキソ県では、県の副責任者がこの事業を歓迎し、その後プロジェクトチームを県の教育長に紹介してくれた。教育委員は支援が届いておらず手を付けられていない地域も対象にしていることに感心し、ナンサナ市の管轄下にあるナブウェル及びゴンべでの活動を勧めてくれた。ナンサナ市での滞在中、市の教育長であるルワンガ氏にも歓迎され、彼はその場ですぐに活動対象校10校を選定してくれた。その後紹介された副書記官はSORAKの尽力に感謝し、ナンサナ市での活動を正式に受け入れた。

 

どの県の責任者もJICAという日本の国際協力機構について常々耳にし、様々な分野の発展において重要なパートナーであることを認めており、本事業がJICAの事業であることから、不十分な教室のスペースやトイレの不足など様々な他の課題に対しても支援してくれるのではないかと期待を持った。SORAKは本事業が女子トイレの改善を目的とした限定的なパイロットプロジェクトであることを説明したが、県の責任者の表敬訪問においても、想定以上のサポートを期待されていることを確認した。


<直面した問題>

Ø  ブタンバラ県への表敬訪問時、CAO(県の最高責任者)が他の会議に出席しており長時間待たなければならないことがあったが、その時間を使って県議長と会うことができた。

Ø  ンガンド地域のインターネット接続は非常に弱く、調査チームがオンラインのアンケート(ネットを通した質問票)を実施することが困難であった。オンラインアンケートが実施できればリアルタイムで回答を得てデータ収集ができるが、地域のネット環境によりできなかった。そこで、音声を録音しておきインターネットが繋がる場所に移動した後に対応することで対処した。

Ø  多くの部族で構成されるムベンデ県にて、ローカル言語に馴染みのないプロジェクトチームのスタッフが対象校にて英語を話せない女子生徒(英語はウガンダの公用語)とのコミュニケーションをする際に言葉の壁が生じたが、現地のローカル言語が分かる事業のボランティアに女子生徒との通訳を担ってもらうことで対応した。

Ø  ワキソ県では、雨季のため道路状況が悪く、予定を翌日などに変更せざるを得ない状況となった。しかし、このような状況に忍耐強く向き合い、個別に日程を調整することで予定通り事業を実施した。

 

<教訓>

政府は現在、テロの脅威増加に伴い、NGOや市民団体と協働することに関して非常に敏感になっている。これはNGOの中には政治的目的をもって活動し、他の団体に不利益をもたらすような組織が存在するからである。活動を円滑に行うためには県の地方政府機関やセキュリティオフィスに前もって活動内容を通知することが重要であることを学んだ。


女子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子
(ワキソ県ナンサナ市ゴンべ サンガ小学校)

男子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子
(ムベンデ県チガンド準郡 イクラ小学校

事前調査の前に説明を受ける生徒たち
(ワキソ県ナンサナ市ナブウェル マンガンジョUMEA小学校)

トイレの現況
(ワキソ県、ナンサナ市、ゴンべのチタンダ小学校)

女子生徒によるフォーカスグループディスカッション
(ムベンデ県チバリンガ準郡 カウォディサ小学校)


ナンサナ市教育長とのインタビュー


<関係者のコメント>




ブタンバラ県 CAO(最高責任者)

「今回の月経時の衛生管理事業の導入にあたってブタンバラに女性の調査官が在籍していないことに気が付きました。女性を優先的に雇用できるように人事部と連携し、採用に努めます。」



ムベンデ県チバリンガ準郡カサナ・ウガンダ教会小学校のPTAメンバー

「この事業を私たちの学校で実施してくださることに感謝します。この事業は女子生徒が生理用ナプキンを手にし、安心して学校に通える手助けとなります。我々はいつも生徒の母親たちにナプキンとして使うために布切れを持たせるように伝えています。しかしこれは決して快適なものではなく陰部を傷付けてしまうこともありますし、何度も洗わなければならないので結局家にいることを選んでしまうのです。ナプキンが買えないために布を洗い続けているのです。」


SORAK代表

SORAKはこの度GBN及びJICAとパートナーシップを結んだことに関し、大変喜ばしく思っております。ウガンダの発展に常に貢献されているJICAと共に活動できる機会を頂けるのは非常にありがたいことであります。今回訪問した行政機関をはじめ様々なプロジェクトサイトの関係者がJICAからのさらなる支援に期待しております。」




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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