2022年4月25日月曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2022年1月~2月活動報告書

 

地域指導者たちとの会合

<各活動の進捗状況>

活動1.1情報やメッセージを地区全体に届けられるコミュニティラジオのシステムの導入

コミュニティラジオ放送局を設置するには防音対策などの設計を施した家屋または部屋である必要がある。コミュニティラジオのシステム上、個人や組織は国から設置の許可を得ねばならず、本事業が承認される前(202110月)に、システム構築にあたって、既にコミュニティラジオのメガホンが存在する地域に新たにメガホンを設置するのは望ましくないことを知らされた。また、国の通信エンジニアからも新たに導入するのであれば、メガホンより広範な範囲に放送が可能なFMラジオシステムの導入を検討した方が良いとのアドバイスを受けた。そこでSORAKは既存のコミュニティラジオ「voice of Lusaliraのメガホンを利用し、ゴミ分別の啓発を開始しつつ、新たにFMラジオを設置することにした。現在、FMラジオ設置予定の家は、立地として最適なチバリンガ準群にて復旧作業中である。ラジオは広い範囲まで情報を届けることができるうえ、メガホンよりも音質が良く、優れているといえる。

 

活動 1.2 住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)

ルサリラ地区にある既存のメガホンを使ったトークショーを計3回(202229日、16日、39日)実施した。SORAK代表、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサーが出席し、地区内にて適切にゴミ収集をするように啓発を行った。ルサリラ地区の住人はゴミの分別に関して知識不足であり、分別せずに廃棄することが環境の悪化につながることを認識していない。そのため、ゴミの適切な処理法や地域をきれいに保つ方法をコミュニティ全体に教育していく必要があることを再認識した。

チームがコミュニティ内の既存のメガホンを通して適切なゴミ処理および環境保全に関する啓発をしている。

活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(15回)

スポットメッセージ(コマーシャル)を作成し、設立予定のFMラジオ番組内で放送することを計画している。すでにFMラジオ設立を担う会社と契約しており、20223月~7月の完成を目指している。FMラジオの設立が終われば、より良い状態でスポットメッセージ(コマーシャル)を作成・放送し、事業の啓発活動を促せるようになる。

 

活動 2.1 ゴミの分別と安全な処理を目的に、ごみ箱2個ずつ5か所への設置

ゴミ箱(コンテナ)の設置は準群議長に勧められた通り条例の制定が終了した後を予定している。設置場所は準群に許可された場所、且つ住民がアクセスしやすい場所となる。また、事業に必要な規約作成を準群が迅速に進めるためにも4月末までにはゴミ箱を購入予定である。

 

活動 3.1 廃棄物の投棄や分別を監視する地域の環境保全グループメンバーの選定

21日にプロジェクトチームは事業紹介を目的に地域指導者たちと会合を開いた。会議事項は、自己紹介、開会の祈り、会議の目的説明、準群議長による開会の挨拶、オープンディスカッション、改善策の検討であった。

準群の条例制定に関する会合が開かれるまでの期間、SORAKは準群の指導者およびコミュニティの代表者たちと環境保全活動を監視していく環境保全委員会を設立し2月8日にはそのグループのメンバーとして地域住民から女性6名、男性3名を含む9名を選定した。環境保全委員はルサリラ地区を清潔に保つ方法を考え、安全なゴミ処理と分別において監視し報告していく役割を持つ。また、準群の青年議員が委員長を務めており、若者や女性が中心となって活動を行う。

環境保全委員会のメンバー選定


活動3.2 廃棄物の投棄を規制する条例の制定とその強化

SORAK代表は125日に準群議長と事前に会合を持ち、廃棄物の投棄を規制する条例の制定及び議論を行うための会合案内を受け取った。準群議長は住民に対するゴミ分別トレーニングやゴミ箱設置の前にまず条例の制定を優先すべきだと指導してくれた。制定後にゴミ箱を導入する方がより効果的にゴミ箱を使用でき、また保護できるという点に着目し、条例制定後に準群に許可された場所にゴミ箱を設置することにした。

 

ゴミ箱を地域の適切な廃棄物処理に役立て、さらに不正に使われることを防ぐために、厳しい条例と違反した際の罰則の制定を予定している。SORAKは条例の制定について準群議会と合意しており、ウガンダ政府の財政計画期間である7月末に向けて制定され、地方政府の計画期間である8月~9月から開始する予定である。

 

<今後の計画>

·         2022630日までにラジオシステムの導入を完了

·         202251日までにゴミ箱の調達及び指定された場所への設置を完了

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         準群議長は廃棄物処理に関する条例導入案に進んで取り組んでいくことを約束してくれた。

·         トークショーを聞いた住民たちは本事業案に感銘を受け、またルサリラ地区を清潔に保つためのチームの尽力に感謝した。これはラジオを聴いているリスナーからSORAK代表やマネージャー、番組に電話で感謝を伝えてきたことで判明した。

 

<直面した問題 >

·        準群の指導者たちが時間を守らなかったことで会合が計画通りに進まず、待機しなければならなかったこと。

·        地域を清潔に保つことが集中すべき重要課題であることを伝えたにもかかわらず、準群の指導者たちが過大な期待を寄せていたこと。

·        コミュニティラジオの運営に必要な条件におけるフィードバックが遅かったこと。

·        会合の開催が遅れ、結果として事業の進捗に遅れが生じていること。4月に開催予定の会合内では条例の制定や規制に関しての議論ができることを期待している。

 

<教訓>

1-   政府当局の承認なくして事業を実施することは難しく、また承認には時間がかかることが分かった。

2-   今回のように特定のニーズに応じて法や政策、条例の制定を必要とする事業は、時間に余裕を持つことが重要であることが分かった。政府・技術の指導者たちは、法の制定には常に熱心かつ慎重に行っているため、新たな法の制定に反感を持たれることなく上手に巻き込んで共に活動する必要がある。

3-   SORAKGBNの許可が下りれば、以下の変更を加えることを提案する。

a)   メガホン設置用の予算をゴミ箱購入に充てることでより多く購入することが可能となる

b)   メガホンラジオに使う予定であった資金をFMラジオ設立に充てること。国の通信エンジニアに提案された通りFMラジオを設立するつもりである。ラジオ設立はおよそ$18,000を要し、コミュニティメガホンと比較しても高額にはなってしまうが、SORAKはすでに資金調達を開始しており、7月までのラジオ開始を目指している。

以上の提案はGBNの確認待ちの状況ではあるが、SORAKは他方面からの資金調達を行うことでFMラジオ設立に向け準備を進めていく予定である。




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【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2021年11月~12月活動報告書

 

引退した議員が議会と事業に関して意見を述べている。

<活動>
1. 活動開始前の状況把握を目的とした廃棄物の写真・ビデオ撮影(2021年11月11日)
活動地域のゴミの現状記録しておくために写真・動画撮影し、をGlobal Bridge Network(GBN)と共有した。
廃棄物の適切な処理を促進し、コレラなどの病気を予防するためにもゴミを確実に減らしていく事業を実施していくが、写真・動画で記録に残すことで、現状のゴミが散乱した地域の状態が、事業終了時にどれほど改善ができたかが比較できる。

ルサリラ地区のレストラン、住居、駐車場周辺で見られたゴミ山


1.     チバリンガ準群議会への事業の紹介

2021年の年末、SORAK代表は準群議会の会合に出席し、議会の中で事業内容を紹介した。準群議長と会長から本事業を感謝されると共に、条例の制定に関する会合は2022年に計画してほしいと要請された。

SORAK代表が事業の内容紹介の前に準群議長の話を聞いている。

準群議長が事業について意見を述べている。


<今後の計画>

·         準群議長と廃棄物の取り扱いに関する条例の制定及び議論を行うための会合の案内を受ける。

·         地域の指導者たちと交流を持ち、事業について話し合う。

·         ルサリラ地区に既存のメガホンを使ってコミュニティラジオトークショーを実施する。

·         環境保全活動を監視していくグループのメンバーを選定する。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         準群の指導者たちは事業内容に喜んで賛同し、事業の導入に協力していくことを約束してくれた。

·         地域の指導者3が準群の指導者たちと共に2022年の年始に会合を開くことに賛成してくれた。

 

<直面した問題 >

·        年末にかけて思うように事業を進められなかったが、なんとか二つの活動を実施、また年始の活動再開に向けて準備を進めた。

·       地域の指導者 3は事業内容以上の高い期待を寄せていたが、まずは地域住民の健康と清潔な環境づくりに注力するように説得した。

 

<教訓>

1-   事業の開始時期は年末を避けるべきであることを学んだ。年末に休暇が多いことから当局との連携などが難しくなり、結果として年内は限られた事業しかできず翌年に持ち越すことになるためである。




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2022年3月27日日曜日

【女の子の教育環境改善】2022年2月マンスリーレポート「各対象地域にて事業開始の会合、パンフレット・冊子の作成」

 

会合に参加した学校長と女性教員(ムベンデ県)

<活動状況>

1.     女子教育と再利用可能な生理用布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショー実施

2.     月経時の衛生管理、性教育、ジェンダー問題についての小冊子及びパンフレット作成(下書き)

3.     各県で事業開始(キックオフ)の会合を実施

4.     ベースライン調査の仕上げ

5.     Happy-Padプロモーションセンター改修の完了に向けた作業

 

1.    女子教育と再利用可能布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショーの出演

ムベンデ県 : 22 19:0020:00 1 時間、ムベンデの Heart FM 2度目のラジオのトークショーを実施した。ショーには事務局長、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサー、ボランティア員が出席し、それぞれ用意した原稿に基づき重要事項についてトークした。

ワキソ県:2419:0020:001時間、ナブウェル地域のラジオ番組「Tiger FM」でトークショーを実施した。ショーには、SORAK代表、プログラムマネージャー、プロジェクトオフィサー、プロジェクトアシスタントICTが出席した。

ブタンバラ県:2月は実施しなかった。

 

2.    月経時の衛生管理、性教育、ジェンダー問題についての小冊子及びパンフレットの作成(下書き)

保健省から小冊子及びパンフレット作成に必要な資料や情報を収集し、作成に役立てた。小冊子とパンフレットは作成途中の段階にあり、GBNと共に話し合いを重ねながら3月末までの完成を予定している。

 

3.    各県で事業開始(キックオフ)の会合を実施

会合には各学校の校長、女性教員、学校運営委員、政府関係者が出席した。この会における主旨は各学校長が県政府へ提出する報告書の中に本事業内容を入れていくこと、各学校に更衣室と洗面所を設けることであった。

ムベンデ県

22810:0014:00、チバリンガ準群ホールで会合を開催した。出席者の受付から始まり、開会の祈り、参加者自己紹介、開会の挨拶、プレゼンテーション、会合の目的説明、県教育長の挨拶、教育センター長の挨拶、地域の学校調査官の挨拶、オープンディスカッション、改善策の検討、閉会の挨拶で締めくくられた。対象校全10校の校長もしくは代表者と女性の教員、教育センター長、地域の学校調査官、準群長、準群政府議長が出席し、各校の校長は特定された学校施設の修繕に協力する覚書に署名した。

ワキソ県

3410:0014:00Jinja Karoli小学校のホールで会合を開催した。参加者が到着した後、出席者の受付、開会の祈り、自己紹介、会合の目的説明、開会の挨拶、事業内容のプレゼンテーション、オープンディスカッション、改善策の模索を行い、市教育長による挨拶をもって閉会した。開会の挨拶はナンサナの教育省長官が、閉会の挨拶は市の教育長が行った。本会には9校の校長及び女性教員が出席し、特定された学校施設の修繕に協力する覚書に署名した。

ブタンバラ県

3312:0015:00、ンガンド準群のBudinse Memorial Schoolで会合を開催した。 参加者の到着、出席者の受付、開会の祈り、自己紹介、会合の目的説明、開会の挨拶、事務局長の挨拶、準群政府議長の挨拶、県教育長の挨拶、学校調査官の挨拶、事業内容のプレゼンテーション、オープンディスカッション、改善策の模索の後、県の副駐在コミッショナーが閉会の挨拶を行った。県教育長、書記官、教員連合長、対象校全10校の校長、ブタンバラ県の副駐在コミッショナーが出席し、各校の校長は特定された学校施設の修繕に協力する覚書に署名した。

 

<会合を通して認識した課題>

·        提供予定のミシンを1台以上必要としていること、ワキソ県のJinja Kaloori小学校やSsanga小学校のように多くの生徒数を抱える学校ではトイレや洗面所などの施設が込み合うため、多くの設備の設置を必要としている。また、ワキソ県の学校長によると9歳で初潮を迎える女子もいるため、学校でより多くの生理用品を必要としている。

·        ナプキン作りの材料や完成したナプキンを保管するための箱が必要であることが分かった。

·        ナプキン作りのトレーニング後、修了者に証明書の発行をするべきだと参加者が提案した。

 

4.    ベースライン調査の仕上げ

ベースライン調査の報告書が完成したので、これをもって各県(3県)の会合にて報告した。

 

5.    Happy-Padプロモーションセンター改装の完成に向けた作業

センターは現在改修工事中であり、間もなく利用開始段階となる。設備や備品も随時揃えられる予定であり、電気は通った状態にある。ドアや窓の設置がまだであるが、3月末までに工事開始予定である。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

会合では以下の結果が得られた。

Ø  学校長たちは事業内容に賛同し、効果的な事業の実施に向けて覚書の規約と条件に合意した。

Ø  各県の関係者と地域の指導者は事業成功のためにSORAK及び各県対象校と常時連携していくことを約束した。

Ø  活動状況把握を目的として学校長とプロジェクトスタッフ間のWhatsAppグループを各県ごとに作った。

Ø  政府関係者と各学校長が交流する良い機会となった。また学校で直面している問題を知り、今後の活動についてメモを取っていた。

 

<直面した問題>

Ø  会合の参加者が時間通り集まらないことがあったが、一定数が集まるまで開始時間を遅らせ開催した。ワキソ県では市教育長の参加が遅れたが、会終了までに到着し各校の代表者にメッセージを伝えた。

Ø  会合に招待した後、リマインドしたにもかかわらず欠席する責任感が足りない学校長もいた。チームは市の教育長に相談し、教育長が学校に訪問し対応してくれることになった。

Ø  参加者と連絡がつかないことがあったが、別の連絡先を特定することで対応した。電話番号が一つしかない者に関しては繋がるまで電話をかけ続けた。

Ø  小冊子づくりにおいて、生徒や教員、コミュニティ内の誰しもが簡易に理解できるよう、簡潔な文章を心掛け、グラフなどの図表を多用する必要があると指摘を受けた。

Ø  学校施設改善に充てられる予算に対し対象校の期待が非常に大きいことがわかったが、まずは本事業の成功に注力するよう促した。

Ø  インターネットの接続が不安定なことから、会合中日本のGBNとの通信がうまくいかなかった。

 

<教訓>

Ø  建物やトイレの追加など本事業で計画している課題リストよりも多くの支援を必要としている学校が多かった。

Ø  会合の参加者は、生徒や教員にナプキン作りの訓練をすることに対し高く評価した。

 

<関係者のコメント>       



 
<活動写真>




















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「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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