2022年5月2日月曜日

【女の子の教育環境改善】2022年3月マンスリーレポート「対象校のWASH(水と衛生)施設の修繕工事」

 

Lwamasaka 小学校の少年たちが女子用洗面所と更衣室の修繕活動に参加している

<活動状況>

1.    対象校のWASH(水と衛生)施設の修繕工事

2.    女子教育と再利用可能な生理用布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショー実施

3.    月経時の衛生管理、性教育、ジェンダー問題についてのブックレットの編集、及びリーフレットの仕上げ

4.    Happy-Padプロモーションセンター改修の完了に向けた作業

 

1.   対象校のWASH(水と衛生)施設の修繕工事

各県で実施した事業開始(キックオフ)の会合に続く活動として、月経時の衛生管理の観点から各校のニーズに合わせた修繕工事を全ての学校において開始した。事業開始の会合はムベンデ県では202228日に、ワキソ県では202234日に、ブタンバラ県では202233日に実施し、その後工事に着手した。

 

ムベンデ県

多くの学校においては水道システムやトイレ、洗面所などの施設の修繕案を採用したが、コミュニティからの寄付を募り、新たに建物を新設した学校もあった。各校の改修状況は以下のとおりである。




















ワキソ県

ワキソ県ではKigooggwa Muslim小学校、Jinja Kaloli小学校以外のすべての学校において修繕工事を実施した。工事の詳細は以下のとおりである。

*Kigoogwa Muslim小学校は事業開始の会合に不参加であり、市の教育長が対応することにはなっているが、2022年の4月末までに当小学校への支援を継続するかの決定を下す予定である。Jinja Karoli小学校は多額の資金が必要な水タンクの修繕に着手すべきかまだ検討途中である。

 

















ブタンバラ県

ブタンバラ県においても以下の通り各校で修繕工事が進んでいる。



2.   女子教育と生理用布ナプキン「Happy Pad」の活用をテーマとしたラジオトークショー実施

より多くの人々がラジオを通して恩恵を受けられるよう、ゴールデンタイムにトークショーを実施した。本事業に対し感謝を伝えようと電話参加してくれたリスナーも多く、また、本事業の活動が他の準郡へ拡大されることを願っているリスナーもいた。

 

ムベンデ県

2022321日(1回目)、22日(2回目)、19:00-20:00に「Heart FM」でトークショーを実施し、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサー、ボランティアが出席した。1回目の主な話題は女子生徒が学校に通うことの重要性・利点、通えないことで生じるリスク、また学校での洗面所及び更衣室の必要性などであった。2回目の話題は月経時の衛生管理を普及させ男性を関わらせること、男性を巻きこんで問題に取り組んでいくことの利点、また巻き込まないことで生じる危険性などであった。

 


ワキソ県

2022325日(1回目)、27日(2回目)、「Voice of Kiryagonja」で45分間のトークショーを実施し、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサーが出席した。1回目の主な話題は女子生徒が学校に通うことの重要性、利点、通えないことで生じるリスク、また学校での洗面所及び更衣室の必要性などであった。2回目の話題は月経時の衛生管理を普及させ男性を関わらせること、男性を巻きこみ問題に取り組んでいくことの利点、また巻き込まないことで生じる危険性などであった。更にKatalemwa Secondary School に位置するHappy-Padプロモーションセンターの宣伝も行った。



ブタンバラ県
 

2022223日(1回目)、26日(2回目)、「Voice of Butende」でトークショーを実施した。1回目の主な話題は女子生徒が学校へ通う重要性、通わないことに対するリスクとその結果、事業の進捗状況などであった。トークショーにはプロジェクトオフィサー及びチームリーダーが出席し、事業の概要や状況を説明、また事業開始の会合についての報告をした。更に女子生徒が学校に通えるように月経時の衛生管理に理解を示し、女子に優しい環境づくりをすることへの重要性について話した。


 
2回目の主な話題は女子生徒が学校に通うことの重要性、通えないことで生じるリスク、また女子が学校に通うことで家族やコミュニティ、国家がどのような恩恵を受けることになるのかについてであった。2回目のトークショーにはButende 小学校の女性教員が出席した。


3.   月経時の衛生管理、性教育、ジェンダー問題についてのブックレットの編集、及びリーフレットの仕上げ

リーフレットは仕上げ工程に入り、最終の見直し前に試し刷りを行った。ブックレットはまだ作業中であり、プロジェクトミーティングの中で、意図した対象者に最適且つ正しい内容にするためには政府専門家のレビューを受けるべきだという提案があった。現在プロジェクトチームは保健省の専門家と連絡をとり、最終版に向けて内容の精査をしてもらっている。


4.   Happy-Padプロモーションセンター改修完了に向けた作業

Katalemwa secondary School に位置するHappy-Padプロモーションセンターは漸く使用開始の準備が整った。施設にはドアや窓も取り付け、ミシンなどの機械も搬入した。本センターは20224月末までには一般に向けて開設予定である



Ø
  <事業による効果的な影響およびもたらした変化>

各校の校長たちは学校施設の修繕活動において非常に協力であり、工事過程を更新するために常々写真を送ってくれている。Butalunga小学校、Ntolomwe小学校、Nkokoma小学校では修繕工事が完成できるように地域住民から寄付が集められた。金額はそれぞれ20,000(ウガンダ)シリング、133,500シリング、527,000シリングであった。

Ø  Lwamasaka小学校では男子生徒が確実に活動に参加していた。男子生徒は建設作業中、レンガを運ぶなどの労働に参加した。

Ø  各校の学校運営委員、PTAを通すことで各県の施設の修繕工事にコミュニティを巻き込み寄付を集めて実施できた。

Ø  校長が洗面所や更衣室の建設/修繕が急務であると認識し、優先的に取り組んでくれた学校もあった。

Ø  全ての対象校から施設の改善に向けて実施する活動に感謝をされた。

Ø  活動していく中でプロジェクトチームと各学校の間に良好な関係が築けた。

Ø  父親であっても娘の月経においてサポートをするべきであるとの内容を扱ったワキソ県でのトークショーは、娘を持つ多くの父親にとって驚きの内容であり、彼らはラジオ局の司会者のところまで来てプロジェクトチームをトークショーに招いたことに感謝を伝えてくることがあった。

Ø  事業として学校に介入したことにより、Bule小学校をはじめ、時間割に月経時の衛生管理に関する指導及びカウンセリングを導入した学校があった。

<直面した問題>

Ø  学校施設の改善においては非常に多くの修繕箇所があるのに対し、予算は限られたものであった。しかし各学校で可能な限りのリソースを有効活用し、できる限りの修繕を行った。

Ø  スマートフォンを持っていない校長もいたため、修繕工事の過程の撮影及びその写真の共有が直ちに行えない場合があった。

Ø  Jinja Karoli小学校は雨水の貯水タンクを修繕する必要があり、今回の資金では全く足りないためまだ着手できていない。保護者やコミュニティにはたらきかけて資金を募っている。

 

<教訓>

Ø  どれだけ少額であっても変化を生むことができることに気が付いた。これは限られた予算の範囲内で各学校が実施した作業や改善具合に表れている。各対象校の校長とプロジェクトチームは非常に協力的であり、また限られた資金を最大限に生かすべく革新的でもあり、学校の財団(学校運営委員及びPTA)に働きかけ独自に寄付を募るなどの活動も行った。

Ø  それにも関わらず、別の活動に充てる今後の資金を当てにされることもあった。修繕が予定通り実施できなかった場合、ミシンの提供やその他のトレーニングなどの活動支援を継続しないということは事業開始の会合の中ではっきりと述べている。




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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2022年4月25日月曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2022年1月~2月活動報告書

 

地域指導者たちとの会合

<各活動の進捗状況>

活動1.1情報やメッセージを地区全体に届けられるコミュニティラジオのシステムの導入

コミュニティラジオ放送局を設置するには防音対策などの設計を施した家屋または部屋である必要がある。コミュニティラジオのシステム上、個人や組織は国から設置の許可を得ねばならず、本事業が承認される前(202110月)に、システム構築にあたって、既にコミュニティラジオのメガホンが存在する地域に新たにメガホンを設置するのは望ましくないことを知らされた。また、国の通信エンジニアからも新たに導入するのであれば、メガホンより広範な範囲に放送が可能なFMラジオシステムの導入を検討した方が良いとのアドバイスを受けた。そこでSORAKは既存のコミュニティラジオ「voice of Lusaliraのメガホンを利用し、ゴミ分別の啓発を開始しつつ、新たにFMラジオを設置することにした。現在、FMラジオ設置予定の家は、立地として最適なチバリンガ準群にて復旧作業中である。ラジオは広い範囲まで情報を届けることができるうえ、メガホンよりも音質が良く、優れているといえる。

 

活動 1.2 住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)

ルサリラ地区にある既存のメガホンを使ったトークショーを計3回(202229日、16日、39日)実施した。SORAK代表、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサーが出席し、地区内にて適切にゴミ収集をするように啓発を行った。ルサリラ地区の住人はゴミの分別に関して知識不足であり、分別せずに廃棄することが環境の悪化につながることを認識していない。そのため、ゴミの適切な処理法や地域をきれいに保つ方法をコミュニティ全体に教育していく必要があることを再認識した。

チームがコミュニティ内の既存のメガホンを通して適切なゴミ処理および環境保全に関する啓発をしている。

活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(15回)

スポットメッセージ(コマーシャル)を作成し、設立予定のFMラジオ番組内で放送することを計画している。すでにFMラジオ設立を担う会社と契約しており、20223月~7月の完成を目指している。FMラジオの設立が終われば、より良い状態でスポットメッセージ(コマーシャル)を作成・放送し、事業の啓発活動を促せるようになる。

 

活動 2.1 ゴミの分別と安全な処理を目的に、ごみ箱2個ずつ5か所への設置

ゴミ箱(コンテナ)の設置は準群議長に勧められた通り条例の制定が終了した後を予定している。設置場所は準群に許可された場所、且つ住民がアクセスしやすい場所となる。また、事業に必要な規約作成を準群が迅速に進めるためにも4月末までにはゴミ箱を購入予定である。

 

活動 3.1 廃棄物の投棄や分別を監視する地域の環境保全グループメンバーの選定

21日にプロジェクトチームは事業紹介を目的に地域指導者たちと会合を開いた。会議事項は、自己紹介、開会の祈り、会議の目的説明、準群議長による開会の挨拶、オープンディスカッション、改善策の検討であった。

準群の条例制定に関する会合が開かれるまでの期間、SORAKは準群の指導者およびコミュニティの代表者たちと環境保全活動を監視していく環境保全委員会を設立し2月8日にはそのグループのメンバーとして地域住民から女性6名、男性3名を含む9名を選定した。環境保全委員はルサリラ地区を清潔に保つ方法を考え、安全なゴミ処理と分別において監視し報告していく役割を持つ。また、準群の青年議員が委員長を務めており、若者や女性が中心となって活動を行う。

環境保全委員会のメンバー選定


活動3.2 廃棄物の投棄を規制する条例の制定とその強化

SORAK代表は125日に準群議長と事前に会合を持ち、廃棄物の投棄を規制する条例の制定及び議論を行うための会合案内を受け取った。準群議長は住民に対するゴミ分別トレーニングやゴミ箱設置の前にまず条例の制定を優先すべきだと指導してくれた。制定後にゴミ箱を導入する方がより効果的にゴミ箱を使用でき、また保護できるという点に着目し、条例制定後に準群に許可された場所にゴミ箱を設置することにした。

 

ゴミ箱を地域の適切な廃棄物処理に役立て、さらに不正に使われることを防ぐために、厳しい条例と違反した際の罰則の制定を予定している。SORAKは条例の制定について準群議会と合意しており、ウガンダ政府の財政計画期間である7月末に向けて制定され、地方政府の計画期間である8月~9月から開始する予定である。

 

<今後の計画>

·         2022630日までにラジオシステムの導入を完了

·         202251日までにゴミ箱の調達及び指定された場所への設置を完了

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         準群議長は廃棄物処理に関する条例導入案に進んで取り組んでいくことを約束してくれた。

·         トークショーを聞いた住民たちは本事業案に感銘を受け、またルサリラ地区を清潔に保つためのチームの尽力に感謝した。これはラジオを聴いているリスナーからSORAK代表やマネージャー、番組に電話で感謝を伝えてきたことで判明した。

 

<直面した問題 >

·        準群の指導者たちが時間を守らなかったことで会合が計画通りに進まず、待機しなければならなかったこと。

·        地域を清潔に保つことが集中すべき重要課題であることを伝えたにもかかわらず、準群の指導者たちが過大な期待を寄せていたこと。

·        コミュニティラジオの運営に必要な条件におけるフィードバックが遅かったこと。

·        会合の開催が遅れ、結果として事業の進捗に遅れが生じていること。4月に開催予定の会合内では条例の制定や規制に関しての議論ができることを期待している。

 

<教訓>

1-   政府当局の承認なくして事業を実施することは難しく、また承認には時間がかかることが分かった。

2-   今回のように特定のニーズに応じて法や政策、条例の制定を必要とする事業は、時間に余裕を持つことが重要であることが分かった。政府・技術の指導者たちは、法の制定には常に熱心かつ慎重に行っているため、新たな法の制定に反感を持たれることなく上手に巻き込んで共に活動する必要がある。

3-   SORAKGBNの許可が下りれば、以下の変更を加えることを提案する。

a)   メガホン設置用の予算をゴミ箱購入に充てることでより多く購入することが可能となる

b)   メガホンラジオに使う予定であった資金をFMラジオ設立に充てること。国の通信エンジニアに提案された通りFMラジオを設立するつもりである。ラジオ設立はおよそ$18,000を要し、コミュニティメガホンと比較しても高額にはなってしまうが、SORAKはすでに資金調達を開始しており、7月までのラジオ開始を目指している。

以上の提案はGBNの確認待ちの状況ではあるが、SORAKは他方面からの資金調達を行うことでFMラジオ設立に向け準備を進めていく予定である。




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「環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業」事業報告書一覧


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【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2021年11月~12月活動報告書

 

引退した議員が議会と事業に関して意見を述べている。

<活動>
1. 活動開始前の状況把握を目的とした廃棄物の写真・ビデオ撮影(2021年11月11日)
活動地域のゴミの現状記録しておくために写真・動画撮影し、をGlobal Bridge Network(GBN)と共有した。
廃棄物の適切な処理を促進し、コレラなどの病気を予防するためにもゴミを確実に減らしていく事業を実施していくが、写真・動画で記録に残すことで、現状のゴミが散乱した地域の状態が、事業終了時にどれほど改善ができたかが比較できる。

ルサリラ地区のレストラン、住居、駐車場周辺で見られたゴミ山


1.     チバリンガ準群議会への事業の紹介

2021年の年末、SORAK代表は準群議会の会合に出席し、議会の中で事業内容を紹介した。準群議長と会長から本事業を感謝されると共に、条例の制定に関する会合は2022年に計画してほしいと要請された。

SORAK代表が事業の内容紹介の前に準群議長の話を聞いている。

準群議長が事業について意見を述べている。


<今後の計画>

·         準群議長と廃棄物の取り扱いに関する条例の制定及び議論を行うための会合の案内を受ける。

·         地域の指導者たちと交流を持ち、事業について話し合う。

·         ルサリラ地区に既存のメガホンを使ってコミュニティラジオトークショーを実施する。

·         環境保全活動を監視していくグループのメンバーを選定する。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         準群の指導者たちは事業内容に喜んで賛同し、事業の導入に協力していくことを約束してくれた。

·         地域の指導者3が準群の指導者たちと共に2022年の年始に会合を開くことに賛成してくれた。

 

<直面した問題 >

·        年末にかけて思うように事業を進められなかったが、なんとか二つの活動を実施、また年始の活動再開に向けて準備を進めた。

·       地域の指導者 3は事業内容以上の高い期待を寄せていたが、まずは地域住民の健康と清潔な環境づくりに注力するように説得した。

 

<教訓>

1-   事業の開始時期は年末を避けるべきであることを学んだ。年末に休暇が多いことから当局との連携などが難しくなり、結果として年内は限られた事業しかできず翌年に持ち越すことになるためである。




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