2022年11月26日土曜日

【女の子の教育環境改善】2022年10月マンスリーレポート「ミシンの受け渡し、布ナプキンの作成トレーニング」

ミシンを手渡しているところ(Nkokoma初等学校)

<活動状況>

1.   対象校20校でのミシンの受け渡し、布ナプキンの作成トレーニング(ワキソ県・ブタンバラ県)

2.   ラジオトークショーの実施(ワキソ県・ムベンデ県)

3.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

4.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)

5.   学校施設修繕の進捗状況(ムベンデ県Christ the King初等学校・Kiyita初等学校)

           

1.     対象校20校でのミシンの受け渡し、布ナプキンの作成トレーニング(ワキソ県・ブタンバラ県)

ワキソ県では1025日~28日に、ブタンバラ県では108日~10日にかけて、県内の対象校全校にミシンを届け、各校の教員、月経衛生管理クラブの部員とナプキン製作に興味を示した高学年の生徒、保護者、また学校運営委員を対象に布ナプキン作りのトレーニングを実施した。

ワキソ県

ブタンバラ県

 

2.   ラジオトークショーの実施(ワキソ県・ムベンデ県)

ワキソ県では1027日に「Voice of Kiryagonja」で、ムベンデ県では1028日に「Luna Fm」で1時間のラジオトークショーを実施し、特に生理用品を購入できない女子生徒が快適に学校に通えるようサポートするように地域の住民に呼びかけた。

ワキソ県での主な話題はKatalemwa Senior Secondary Schoolに建設したhappy-padプロモーションセンターについてであり、実施トレーニングの予定や再利用可能な布ナプキンの作成方法、使用方法、また清潔に保つ手入れ方法を紹介した。

ムベンデ県では適切な月経の衛生管理、女子の教育、そして対象校10校に設置するミシンを用いて行うナプキン作成のトレーニングやナプキンの使用方法、手入れ方法を主な話題とした。また、ロックダウン解除後にはナプキン作成トレーニングの提供を行うこともリスナーに約束した。

 

3.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。

·        ムベンデ県:Luna FM 1 6 回 )

·        ワキソ県: Voice KiryagonjaTiger FM (1 日 10 回)

·        ブタンバラ県:Voice of Butend(111Voice of Kikambwe(110

 

4.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)

10月は合計で128枚の布ナプキンを生産した。トレーニングは23人の学生を対象に実施し、外部から9人の訪問を受け入れた。販売はまだ開始できていないが、トークショーや地域での啓発活動を通して宣伝し、販売に繋げていく予定である。

 

5.   学校施設修繕の進捗状況(ムベンデ県Christ the King初等学校・Kiyita初等学校)

Christ the King初等学校、及びKiyita初等学校は女子用の洗面所・更衣室を拡大する修繕を施した。資金が限られているという課題に加え、3学期は進級のための試験に向け全力を挙げて取り組んでおり、また、エボラ出血熱の感染拡大によるロックダウンが発令されたため、修繕作業を迅速に完了するために必要な資金を保護者から集めることが困難となった。来年まで以下の写真の状態のままとなる予定である。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·        布ナプキン製作トレーニングの参加者(生徒・教員・保護者)はナプキンの作り方を学ぶことに意欲的だった。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        男子生徒も積極的に活動に参加し、熱心に学んでいた。特にKitungwa初等学校の男子生徒は熱心であった。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        教員、保護者の中には基本的な縫製のスキルを持つ者もいたため、トレーニングが円滑に進んだ。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        トレーニング後、参加者はSORAKVOTUGBNの支援やイニシアチブに感謝した。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        Ssayi Bright初等学校では、保護者会と学校運営委員のメンバーが活動の際に出席し、学校への支援に感謝した。また、実施事業の成功のためにもプロジェクトチームと今後も協力していくことを約束してくれた。(ワキソ県)

·        Ssanga初等学校では、活動日がスピーチデーというイベント日であったため、生徒、教員、保護者会、学校運営委員だけでなく、宗教指導者や地域の指導者、市の教育長も出席しており、より多くの人を対象に活動をすることができた。また、市の教育長はSORAKの素晴らしい活動を称賛した。(ワキソ県)

·        ラジオ「Voice of Kiryagonja」では、地域の住民が必要な時に入手できるようにするため、ラジオ局にもナプキンを置くように要望した。(ワキソ県)

·        毎日繰り返し適切な月経衛生管理を呼び掛けているスポットメッセージ地域住民は高く評価している。(ムベンデ県・ワキソ県)

·        ラジオトークショーの放送中に多数の問い合わせがあったことから、対象校全校にミシンを設置し、ナプキン作りのトレーニングを行っていることをリスナーが高く評価していること、また、対象校以外でも支援が期待されていることが分かった。(ムベンデ県)


直面した問題>

·        Primary Living Exams」という大きな試験の期間中であったため、7年生は思うように活動に参加できなかったが、長期休暇を利用し各校のナプキン製作トレーニングに参加するように提案した。(ワキソ県)

·        10対象校の中でミシンの操作を知っていたのはKitanda初等学校の生徒一人のみで、その他の生徒は基礎からのトレーニングを必要としていた。 (ワキソ県)

·        10校中3校には電気が通っておらず、今後も開通の予定がなかったため、足踏み式のミシンと入れ替え予定である。(ブタンバラ県)

·        教員たちは生産に必要な材料の調達において心配をしていたが、現存するリソースを工夫して活用するように提案した。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        学習者の数に対して2時間のトレーニングでは時間が足りなかったため、校長は事業の期間中に再度トレーニングを設けるように要望した。また、より多くの人にトレーニングを実施するには地域のトレーニングセンターを活用すべきだとBule Umea 初等学校の校長は提案した。(ブタンバラ県)

·        エボラ出血熱の感染拡大を受け、1016日には21日間のロックダウンが発令された。その後更に21日間の延長となりトレーニングなどの活動が予定通り行えず、プロジェクト自体に遅れが生じた。(ムベンデ県)

·        布ナプキン作成のトレーニング受講に関してコミュニティの志望者からの反応が遅かった。また、布ナプキンを作るだけでなく、裁縫全般を学びたいという者もいた。


<提案>

·        トレーニング後の評価は迅速に行うべきである。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        実践的なトレーニングセッションでは、効果的にトレーニングを行うために最低でも15人の参加者を募るべきである。(ブタンバラ県)

·        採寸方法や裁断方法、ナプキンの使用、手入れ方法などの理論的なレッスンは縫製などの実践的レッスンの前に実施するべきである。(ブタンバラ県)

·        トレーニングの記録は各校で残しておくべきである。(ワキソ県・ブタンバラ県)

·        学校はナプキン作成に必要な材料の入手源を特定しておくべきである。(ワキソ県・ブタンバラ県)


<教訓>

·        ほとんどの学校はミシンの使用方法に関してある程度の知識があったが、トレーニングの際にミシンを操作できない学校があったことから、学校によって差があることが判明した。




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。


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2022年11月23日水曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2022年9月~10月活動報告書

 

収集所に運ばれてきたペットボトルなどの資源ゴミ

<各活動の進捗状況>

活動 1.2 地区住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)

916日、107日にプロジェクトオフィサーはチバリンガ準郡のラジオ放送Luna FMから30分間のトークショーを実施し、ごみ箱の利用方法や分別方法、リサイクルについての啓発を行った。また、地域の衛生状況改善のためには環境保全グループの活動に敬意を払うと同時にグループと地域住民が協力して取り組んでいく必要があることを伝えた。



活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(15回)

衛生状況の改善を目的にチバリンガ準郡の「Luna FM」ラジオ局を通して適切なゴミの処理方法を啓発している。地区内の住民に確実に基礎知識をつけるべく、以下のコマーシャルメッセージを15回放送している。

<ラジオコマーシャル>

  ウガンダの皆さん、ゴミの廃棄をきちんとしないことは、各家庭においても地域においても悪影響であることをご存じでしょうか。不適切なゴミの廃棄はコレラや下痢などの深刻な病気の原因となり、私たちの生活に害を与えます。ゴミの焼却もまた、どのような方法であっても環境破壊につながります。

SORAKはリサイクルや分別などゴミの管理方法を住民に啓発し、またゴミ箱を設置し、収集車でゴミを回収し分類やリサイクルをすることで清掃活動を支援してまいります。ルサリラ地区の皆様、ともに活動し地域の衛生状態改善に取り組んでいきましょう。

以上、Global Bridge Network-Japan並びにSORAKからのメッセージでした。

 

活動 2.1 ゴミの分別と安全な処理を目的に、ごみ箱2個ずつ5か所への設置

ゴミの分別ができるよう各所に2個ずつごみ箱を設置した。1つは分解する有機廃棄物用、 もう1つはペットボトルをはじめとしたリサイクル可能な廃棄物用にした

 


<今後の計画>

·          有機廃棄物を希望する農家へ引き渡す。

·          SORAKは有機廃棄物を用いて肥料を作る計画をしているが、農家が継続的に引き取りを行ってくれていることから不要となる可能性が高い。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         地域の環境改善に取り組む環境保全グループの活動に地域住民は感謝しており、今後も協力していくことを約束してくれた。

·         地域の農家はごみを分別するという考えに賛同しており、肥料として利用できる有機廃棄物の引き取りにも積極的に協力してくれている。

·         ラジオトークショーの放送中に10件以上の問い合わせがあったことから、地域の衛生状況を改善することを目的とした当トークショーをリスナーが高く評価していることが分かった。

·         ほとんどの地域住民が分解可能な有機廃棄物とサイクルできる廃棄物を分別する二つのごみ箱の利用方法を理解し、使い慣れてきている。

·         地域を清潔に保つためにすべきことを1日に5回、スポットメッセージを通して繰り返し呼び掛けていることを地域住民は高く評価している。

 

<直面した問題 >

·        環境保全グループは活動の際に必要な昼食費や通信費などの費用を多く要望していたが、所持する分で賄い、活動に集中するように伝えた。

·        エボラ出血熱の感染拡大を受け、1016日には活動地域のムベンデ県にロックダウンが発令された。そのため、状況が改善するまではいくつかの活動を延期せざるを得ず、プロジェクト自体に遅れが生じた。

 

<教訓>

·        モニタリング委員や地域住民、地域の指導者はこのプロジェクトに感謝していると同時に、地域の健康を改善するこのような素晴らしい活動を我々が今後も継続していくことを望んでいることが分かった。

·        分別をきちんと行えばゴミであっても販売したり肥料として活用できたりするということを知ったことにより、地域住民がより積極的に分別作業に参加するようになったが、利益を得られる見通しがない場合には、ゴミの分別などの単純作業を住民たちに重要視してもらうのは簡単ではないことが分かった。現在、地域住民は分別・販売活動に熱心に取り組んでおり、SORAKが介入せずともゴミを処理できるようになった。  




報告書一覧はこちらです↓↓

「環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業」事業報告書一覧


※このプログラムは、公益信託 大成建設自然・歴史環境基金からの助成により運営しております。



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2022年11月10日木曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】GBN現地視察レポート_2022年8月

 


<モニタリング訪問の状況>

a)   準郡の指導者たちを訪問し事業に関するヒアリングを実施

b)   ごみの収集所の視察

c)    ごみの管理方法に関する情報拡散として利用するラジオ局「LUNA FM」を訪問

 

a)   準郡の指導者たちを訪問し事業に関するヒアリングを実施

GBNメンバーは730日にウガンダに到着し、731日にムベンデ県へと向かった。ムベンデ滞在中には実施中の活動の進捗を把握するために数か所を視察訪問した。

8月3日にはチバリンガ準郡の指導者たちを訪問し、準郡ホールにてミーティングを行った。指導者たちからの事業に対するフィードバックを受け、今後活動を維持していくための方法を共に模索することができた。

ミーティングには異なる議会から男性11名、女性4名が参加し、SORAKからは代表、プロジェクトオフィサー、プログラムマネージャーが出席した。

以下は参加者からの事業に関するフィードバックである。地域全体の清潔さが向上し、環境保全に貢献できていることから全ての参加者が、本案件のイニシアティブに感謝をしていた。一方で、懸念点や要望も多数寄せられた。

 

·        防衛局の指導者はごみの収集をより効果的にするためには、より多くのごみ箱をごみ収集地点に設置すべきだと要望した。

·        住民たちはこのような活動が当地区で行われることは想像もしておらず、このような支援をしてくれる事業パートナーに信頼を寄せていたが、一方で若者の生活支援として養鶏などの事業も要望してきた。

·        障がい者議会の議員は地区内に320人の障がい者が住んでいることから、生活自立支援としてミシンや車いす、松葉杖など寄付を要望した。

·        市場エリアに公衆トイレがないため、人間の排泄物で周辺の水質が汚染されていることを指導者の一人が指摘した。

·        女子を対象とする事業は数多くあるが、男子もまた様々な問題を抱えているため、男子を支援する事業の必要性を訴えた。

·        環境活動を実施するNPO団体のメンバーが、ウガンダで環境問題が積極的に扱われていないため、日本のような先進国の環境指針や実施事業、ごみの収集法や分別のシステムを学びたいと述べた。


 

活動写真

 

事業を継続していくための提案

·        分別を促進していくためには継続的に適切なゴミ処理について啓発を行うべきである。

·        啓発活動を継続していく中で、指導者たちは模範となるべきである。

·        ごみの管理方法に違反した者に対して、罰金をもって処罰する条例があるべきである。

·        地域の衛生状況を改善するこの活動に全ての住民が参加すべきであり、協力的でない者に対しては環境法の下で罰金を科すべきである。

·        住民間で少額の寄付を出し合いごみを管理するというこれまでの慣行を利用し、ごみ箱を空にする作業や収集地点から廃棄場所までの運搬費に利用していくべきである。

 

b)   ごみ収集所の視察訪問

準郡の指導者たちとのミーティングを終えた後、指定の場所にごみ箱が適切に設置されているのかを確認するため各設置場所を視察して回った。その後GBNチームは視察を通して気づいたことについて動画編集のためインタビューを受けた。

 

 

視察の結果

·         各収集場所に2つずつごみ箱を設置し、ひとつはプラスチックなどのリサイクル廃棄物、もう一つを有機廃棄物用にしているが、全てのごみ箱で混ざって廃棄されていた。

·         周辺で食べ物を販売している地元民を取材したところ、ごみを分別しなければならないことも異なる表示がごみ箱に記載されていることにも気が付いていなかったことが分かった。

·         ごみ箱不足などの課題はあるが、植物や木箱で代用するなど創造的に解決していくよう人々に呼び掛けた。

·         ごみの量を削減することはできたが、依然としてたくさんのごみが不法投棄されている。

 

c)  ごみの管理方法に関する情報を拡散するために利用するラジオ局「LUNA FM」を訪問

Luna FMのスタジオを訪問したが、時間の関係でラジオ放送をすることはできなかった。

 


課題

·        地域の指導者たちがGBNチームに寄せる期待が大きすぎるという問題があったが、今回の訪問の目的が現行の活動状況を視察することであることを明確にすることで解決した。

 

事業による効果的な影響

指導者たちは事業によって出た影響などの情報を快く共有してくれた。




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2022年11月4日金曜日

【布ナプキンスタートアップ事業】現地からの活動レポートが届きました!

 皆様こんにちは。

インターンの子たちがスタートしたスラム地域のナグル初等学校での布ナプキンスタートアップ事業

クラウドファンディング:https://readyfor.jp/projects/thankyousupport_uganda


皆様から頂いた支援金で購入したミシンのお礼の声が届いております!


2022年8月14日に実施した活動報告が現地より届きました!

・スラムツアー

・学校関係者とのミーテイング

・女子生徒からなる月経衛生クラブのメンバーとの交流

・日本の高校の活動として作成した手作りの布ナプキンの配布

・クラウドファンディングで集めた資金により、ミシンの贈呈


現地から届いた当日の活動報告のレポートをご参照ください!

月経衛生プロジェクト報告書_20220814




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