2023年1月31日火曜日

【イベント報告】横浜市の小学校で出前授業(2023年1月16日)

 


皆様、こんにちは!Global Bridge Network です!

しばらく(ここ数年?)対面でのイベントなどなかったのですが、この度横浜市立中川小学校5年2組で出前授業(202311613:40-15:15)を実施しました!

担任の宇留間先生から連絡をいただいたのは昨年(2022年)のこと。

SDGsを扱う授業の中で、ある女子生徒(←小学校の5年生です!)がインターネット上でGlobal Bridge Network(GBN)を見つけ、私たちの活動の中でも特に「生理で学校に行けなくなる女の子」に関心をもち、GBNに直接活動について聞いてみたいと先生を通じて連絡がありました。

私たちも小学生を相手に活動紹介など経験がなく、どうやって、どんな内容で子どもに伝えることができるか試行錯誤でした。(と言いながら、結構楽しく準備しました笑)

実際の授業では、まず、横田がGlobal Bridge Network の紹介とアフリカ・ウガンダの紹介を担当しました。クイズをふんだんに盛り込み、積極的に参加しやすい雰囲気作りに努めました。「アフリカ」と聞いてイメージすることを発言してもらったり、ウガンダの暮らし、食べ物、ウガンダでみられる野生動物、観光など。。。。ウガンダの素敵な側面と共に、現地の子どもたちの貧困からくる問題などを紹介し、ウガンダの様々な面について知ってもらいました。

 


 次に、いよいよ大西の番です。「生理が原因で学校に行けなくなる女の子」のお話と私たちの取り組みについてお話しました。写真やビデオを用いて現地の学校や生徒の様子をできるだけ分かりやすく伝えるようにしました。Happy Pad Songの動画を流した際には、親しみやすいメロディーと一緒にHappy pad Happy pad~♪と口ずさんでいる生徒もいました。子どもはノリが良いです^^

 

グループディスカッションの時間を設け、下記①~⑤つの課題についてどんな解決策が考えられるかをグループで話し合ってもらい、その結果を発表してもらいました。

 


グループでの話し合いの結果(抜粋):

      生理用品が買えない

●解決案:日本など先進国の人が生理になった人にこんな物を売っていますと作り方を教える。募金箱を作り、生理用品を売ったり買ったりしやすくするなど。

      生理についての知識がない

●解決案:先生の知識をもっと高める。先進国の教員を派遣、ポスターを作って生理について知ってもらうなど。

      家でも学校でも生理について相談できない

●解決案:保健の先生のような相談できる人を学校に置く。生理について相談できない文化をなくすなど。

④学校のトイレや更衣室が使いづらい(ドアがない、汚い、水がないなど)

●解決案:教室の他に安心できる部屋を作る、支援してドアを付けたり、掃除用具を買ってあげたりするなど。

⑤男子生徒が女子をからかう

●解決案:男と女で学校を分ける。生理について男女両方に伝える。からかっている人がいたら注意する。女子が退学している現状を男子に伝えるなど。

 

授業の後半は、生理に関する問題を中心に取り上げたために男子生徒よりも女子生徒の方が自分事として積極的に議論したり、質問をしたりしていたように思います。まだ幼い男子生徒は「あまり知らない、よく分からない・・・」と、どう考えていいのかわからない様子も見受けられました。

 今回は女子生徒の教育(性と生殖に関する健康、ジェンダーの問題を含む)というテーマを主に扱いましたが、課題の解決のためには貧困、水の問題、学校のトイレや更衣室の設備、悪しき慣習をなくすことなど、様々な問題に包括的に取り組む必要があるということを理解してくれた生徒が居たことを嬉しく思いました。

最後に「男子は女子の生理について理解するのは難しいと思うけれど、『まずは知ること、そしてお互いに思いやりを持つこと』が大事」という私たちからのメッセージを伝えました。

今はピンと来なくても、将来いつか、ふとしたときにこのメッセージを思い出してもらえるといいなと思います。

担任の先生からは「今回の事を機に男子生徒にも生理について知る・考えるいい機会になりました!」とのお言葉をいただきました。

 

◆詳細の報告書はこちらからご覧になれます。



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2023年1月18日水曜日

【女の子の教育環境改善】2022年12月マンスリーレポート「ブタンバラ県のHappy-Padプロモーションセンター設立、生産した布マスクの配布 等」

 

布マスクを受けとった地域住民

<活動状況>

1.   ラジオトークショーの実施(ワキソ県)

2.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

3.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県、ブタンバラ県)

4.   生産した布マスクの配布(ワキソ県)

5.   施設修繕が未完了の学校を視察訪問(ムベンデ県Christ the King初等学校・Kiyita初等学校)

 

1.   ラジオトークショーの実施(ワキソ県)

ワキソ県では1215日に「Voice of Kiryagonja」で、ムベンデ県では1214日に「Luna Fm」で、それぞれ1 時間のラジオトークショーを実施し、生理用品を購入できない女子生徒が快適に学校に通えるようサポートするように地域の住民に呼びかけた。主な話題は、低価格でHappy-Padを購入できるように考案されたまとめ買いについてや、長期休暇中の子どもたちが月経時の衛生管理を家庭でも実践できる環境づくりについてであった。

 

 

2.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。

·        ムベンデ県:Luna FM 1 6 回 )

·        ワキソ県: Voice Kiryagonja(1 日 10 回)

·        ブタンバラ県:Voice of Butende122Voice of Kikambwe(111

 

 

 

3.   Happy-Padプロモーションセンター

ブタンバラ県に2つ目のHappy-Padトレーニングセンターの設立を予定しており、ワキソ県のプロモーションセンターから家具やミシンなど半数のものを輸送した。

 

ワキソ県のプロモーションセンターでは1か月間のナプキン作成トレーニングに4名の女性が登録し、12月中旬から1月中旬までトレーニングを受けている。受講者は100,000シリングの受講費を納めているが、徴収した受講費から参加者の食事代を捻出し、受講者を維持することで、運営の継続を図っている。

また、彼女たちがセンターから30キロ離れたブスクマ準群という地域から参加していることからも、今後は近隣地域以外からくる受講者のために宿泊施設を設置すべきであり、これは新たに新設するブタンバラ県のプロモーションセンターにおいても検討が必要である。

 

ワキソ県のプロモーションセンター


ブタンバラ県のプロモーションセンター

ブタンバラ県ンガンド準群にプロモーションセンターを新設することになり、ミシン2台、棚、椅子2脚、机2台、テーブル1台、ハサミなどの道具をワキソ県のプロモーションセンターから輸送した。

  • 立地場所: プロモーションセンターの設立場所はンガンド地区内に決定し、1月末のオープンを予定している。
  • オンライントレーニング: 1月21日と22日にZOOMでのオンライントレーニングを予定しており、プレゼンテーション用のパワーポイントやフィードバックのフォームなどを準備した。オンライントレーニングは活動の一環として啓発を行えることに加え、プロジェクトの過程や進捗状況を伝える手段としても活用できる。
  • Happy Pad: ナプキンの販売を開始する前に一般市場の基準を満たしかつ競争力のあるパッケージングを目指し最終調整を行っている。販売用ナプキンの生産開始は1月の3週目を予定している。

 

4.   生産した布マスクの配布(ワキソ県)

新型コロナウイルスとエボラ出血熱の感染拡大を受け11月にプロモーションセンターで生産したマスク345枚のうち12月は150枚をプロモーションセンター近隣の住民に配布した。地域の指導者と協力し、感染予防のためマスクの着用を住民に推奨した。


5.    施設修繕が未完了の学校を視察訪問(ムベンデ県Christ the King初等学校・Kiyita初等学校)

 プロジェクトオフィサーは衛生施設の修繕が完了していないChrist the KingKiyita初等学校の進捗状況を把握するため、学校を視察訪問した。現在Christ the King初等学校ではトイレの設置が完了し、Kiyita初等学校では10リットルのジェリカン、石鹸、たらい等の月経中の女子生徒が必要な用品を備えた洗面所と更衣室が完成した。


 


<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·        Voice of Kiryagonja」でのラジオトークショーでは、村の女性部門長が参加し、女子生徒が月経中であっても学校に通えるようにする事業のイニシアチブに感謝した。また、月経時の衛生管理や性と生殖の健康に関する地域住民への啓発活動において今後SORAKと協力していくことを約束してくれた。

·        プロモーションセンターでのトレーニング受講生は皆読み書きができるため、トレーニングが順調に行えていることに加え、学ぶことに意欲的である。

 

直面した問題>

·        ムベンデ県ではエボラ出血熱の感染が拡大し、政府が1016日から1217日までのロックダウンを決定したため、活動が滞った。その後解除となったが、すでに対象校は休暇期間が始まっていたため、活動は円滑に進まなかった。政府機関や対象校が正式に再開する1月以降はこれまで通り活動を実施していく予定である。

·        ワキソのプロモーションセンターにてトレーニングに参加した4名全員にミシンの予備知識がなかったため、一から教える必要があったが、皆協調的であり、トレーニングは順調に進んだ。

 

<提案>

·        3県全ての対象校において2月の新学期開始後すぐに施設のモニタリングを実施すべきである。

·       ナプキンの売り上げを伸ばす販売戦略のひとつとして広告などの宣伝も検討すべきである。




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。


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2022年12月29日木曜日

【女の子の教育環境改善】2022年11月マンスリーレポート「ミシンの受け渡し、地域での啓発活動 等」

 

ブタンバラ女性の開発団体「BUWODEV」と協力しながら、性と生殖の健康に関するセッションを実施中のプロジェクトチーム

<活動状況>

1.   ラジオトークショーの実施(ムベンデ県)

2.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

3.   月経時の衛生管理のブックレット、及び教員トレーニングマニュアルの印刷

4.   対象校10校でのミシンの受け渡し(ムベンデ県)

5.   学校でのナプキン作成活動(ブタンバラ県)

6.   地域での啓発活動(ブタンバラ県)

7.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)

8.   Happy-Padプロモーションセンターでのマスク生産(ワキソ県)

 

1.  ラジオトークショーの実施(ムベンデ県)

1118日に「Luna Fm」で、1 時間のラジオトークショーを実施し、生理用品を購入できない女子生徒が快適に学校に通えるようサポートするように地域の住民に呼びかけた。主な話題は適切な月経時の衛生管理、女子の教育、そして対象校 10 校に設置したミシンやナプキン作成のトレーニング、ナプキンの使用方法、手入れ方法などであった。ナプキン作成トレーニングはエボラ出血熱の感染拡大が落ち着いた後に実施することを住民に説明した。



 

2.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。

·        ムベンデ県:Luna FM 1 6 回 )

·        ワキソ県: Voice KiryagonjaTiger FM (1 日 10 回)

·        ブタンバラ県:Voice of Butend(111Voice of Kikambwe(110


 

3.   月経時の衛生管理のブックレット、及び教員トレーニングマニュアルの印刷

1128日にブタンバラ県では月経時の衛生管理のブックレット300部、及び教員トレーニングマニュアル20部を印刷した。学校再開予定の20232月に配布予定である。

同様にムベンデ県、ワキソ県でも月経時の衛生管理のブックレット400部、及び教員トレーニングマニュアル40部を印刷した。


 

4.     対象校10校でのミシンの受け渡し(ムベンデ県)

1110日~11日にムベンデ県の対象校10校で教員、テーラー、月経衛生管理クラブの立ち合いの元ミシンを受け渡した。月経衛生管理クラブの部員にはTシャツを配布し、翌年の新学期開始に合わせてナプキン作成トレーニングを行うことを約束した。


5.     学校でのナプキン作成活動(ブタンバラ県)

国内でのエボラ出血熱の感染拡大を受け、国が制定しているスケジュールよりも早い1125日に長期休暇が始まったため、事業の活動を予定通りに進めることができなかったが、Bule初等学校、Ntolomwe初等学校、Nkokoma初等学校、Lwamasaka初等学校から要請を受け、学校終業前にナプキン作成の座学を開始することができた。

 

6.   地域での啓発活動(ブタンバラ県)

1126日にンガンド準郡のBudinse Memorial 学校に、地域に様々な学校から124名(男子56名、女子68名)の子どもたちが集い、地域で活動を行っているブタンバラ女性の開発団体「BUWODEV」との協力の下、1時間の性と生殖に関する健康セッションを行った。124名のうち32名(男子8名、女子24名)は事業の対象校となっているLwamasaka初等学校、Butende初等学校、Butalunga初等学校の生徒であり、残りの92名は対象となっていない学校の生徒であった。

このイベントは、孤児や弱い立場にいる子どもたちの救済やカウンセリング、指導を通しての経験を共有する3日間の催しであり、思春期における体の変化や、互いを守る意味での責任、月経中の女子生徒に対する男子生徒のサポートの重要性などを主なメッセージとして出席者に伝えた。また、女子生徒に対しては適切に月経時の衛生管理に取り組むように呼びかけた。

対象となっていない学校の生徒は対象校の生徒よりも控えめであったが、少人数のグループに分け、BUWODEVの女性司会者がセッションを始めた頃にようやく話し始めた。セッション内では、「16歳になっても月経が来ていなければ問題があると教わりましたが、18歳で月経が来た人がいたとすれば、それは普通ではないのでしょうか。」という質問があり、これに対し司会の女性は月経が遅れている場合は近くの大人か医師に相談するように助言した。

1128日の集会には、50名の保護者(女性40名、男性10名)が参加し、生理中の女子、特に初潮を迎えた女子生徒への生理用品や感情的なサポートなど保護者が持つべき責任について認識を持つように促した。また、前日のセッションで子どもたちの発言が少なかったことから、子どもたちが自由に発言し易い環境を用意した。


 


7.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)

11月は合計で28枚の布ナプキン、262個の包装用ポーチを生産した。エボラ出血熱の感染拡大受け、予定されていた長期休暇開始日よりも早くに学校を終業するよう政府が要請したため、学生を対象にしたトレーニングは実施しなかったが、地域住民へのトレーニングは9名を対象に実施した。また、11月はナプキンを3セット販売することに成功した。今後は宣伝を兼ねた店舗訪問や、女性が多く集まる地域の集会や美容院などの場所での交流を通し、販売拡大を図る。


 

8.     Happy-Padプロモーションセンターでのマスク生産(ワキソ県)

新型コロナウイルスに加えエボラ出血熱の感染が国内で拡大し、予防を目的にマスクの着用が推奨されていたため、プロモーションセンターで500枚のマスクを生産した。センターで生産したマスクは販売用ではなく無料配布用とし、 ワキソ県の子どもたちを対象に155枚のマスクを配布した。12月~1月は生産数を更に追加し、学校再開時にムベンデ県の対象校に配布予定である。

大統領は122日にコロナウイルス感染者の報告数が150件程度あることを発表し、今後も国が定めた標準作業手順 (Standard Operating Procedures)に従うように国民に呼びかけた。



 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·        ナンサナ市内のKiryagonjaKasalirweKirinnyabigoLwadda-KyondoNajjembaNasseなどの「Voice of Kiryagonja」ラジオ局周辺の地域に住む住民は、スポットメッセージを通して活動への理解が深まってきている。(ワキソ県)

·        対象校の生徒が対象となっていない学校の生徒よりも性と生殖の健康セッション内で良い反応を示していたことから、活動を通して月経衛生管理や性と生殖の健康などへの認識が向上していることが分かった。(ブタンバラ県)

·        同じ地域内で活動する他の団体と協働することで、対象となっていない学校に通っている子どもたちとの知識量の差を測ることができた。また、健康や思春期に関連する問題において情報を共有できるように、子どもと積極的に話し合い、活動への参加を促すように保護者に奨励した。(ブタンバラ県)

·        ラジオのリスナーは、ミシンを学校に設置したこと、また月経時の衛生管理やエボラ出血熱に関する貴重な情報をラジオを通して伝えていることに対しSORAKに感謝していた。(ムベンデ県)

·        ミシンの受け渡し日に参加していた生徒・教員は、ミシンの設置を歓迎しており、学校再開後に開始予定の布ナプキン作成トレーニングへの興味を示していた。(ムベンデ県)

·        プロモーションセンターで生産したナプキンの品質を地域住民が高く評価していることがナプキンの宣伝・販売を通して分かった。(ワキソ県)


直面した問題>

·        エボラ出血熱の感染拡大により教育省が学校に閉鎖要請を出し、学校側も早急に対応するためにスケジュールを変更したため、11月に3県の全ての対象校で実施予定であった学校施設修繕のモニタリングや生徒を対象にしたナプキン作成トレーニングを実施することができなかった。 (ムベンデ県)

·        旧バージョンの月経時の衛生管理ブックレットが(保健省からのリバイス要請により)回収して以降、生徒たちが利用できる読み物がなにもなかった。(ブタンバラ県)

·        エボラ出血熱の感染拡大を受け、1016日~1217日までロックダウンが発表された。これにより、予定よりも早い1125日に学校が閉鎖し、学習及び事業の活動に影響が出た。(ムベンデ県)



<提案>

·        学校施設修繕のモニタリング活動は2月に学校が再開し次第実施するべきである。

·        対象校以外の生徒が活動に参加すれば、より多くの住民への啓発につながる。

·        他のコミュニティのグループが活動に参加すれば、事業による効果をより大きなものにすることができる。




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。


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