ナプキンを作り終えたトレーニング受講者がボタン付け機械の使用方法を学んでいる |
2.
女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送
3.
Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県・ブタンバラ県)
4.
第4回オンライン会議の実施
1.
ラジオトークショーの実施(ムベンデ県・ワキソ県)
ムベンデ県では5月19日にチバリンガ準郡のLuna FMより1時間のラジオトークショーを実施し、月経時の衛生管理における正しい知識をもって女子生徒をサポートする必要があることや、学校での指導やカウンセリング、メディア広告、コミュニティラジオなど様々な方法を通して月経衛生管理に関する正しい情報を取得できることを呼びかけた。
ワキソ県では5月28日19時~20時にTiger FMより1時間のトークショーを実施した。SORAK代表は事業の概要やこれまでの成果を紹介し、費用対効果が高く環境にも優しい布ナプキンの活用を奨励した。また、知識不足ゆえに起こる問題を避けるためには、月経時の衛生管理の課題について子どもと共有しておく必要があることを保護者に呼びかけた。
2. 女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送
月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。
• ムベンデ県:Luna FM(1日6回)
• ワキソ県: Voice Kiryagonja(1日10回)
• ブタンバラ県:Voice of Butende(21回)、Voice of Kikambwe(22回)
3.
Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県・ブタンバラ県)
ワキソ県
ナプキン作製のトレーニングを継続して実施しており、5月は8名の女性が参加した。また、4月には50枚のナプキンを新たに作製し、60枚(30セット)を販売した。トレーニング受講者は、累計生徒161名、一般16名の合計177名だった。
ブタンバラ県
25名(生徒13名、一般12名)がナプキンを作製のトレーニングに参加し、そのトレーニング受講者が180枚のナプキンを作製した。
ブタンバラ県では5月23日にKalamba村で地域住民を対象とした布ナプキン作成トレーニングを行った。Kibibi 地区のNGO団体であるOperation
One Project Foundation(OPF)と協力し、48名(女性35名、男性13名)の地域住民を対象に実践的な布ナプキン作製を実施した。布ナプキン作製に必要な生地やその他の材料、針、ハサミ、ミシン等の道具はOPFが提供し、参加者は各自1枚ずつ布ナプキンを作製、完成したナプキンを持って帰ることができた。参加者は学ぶことに非常に意欲的であり、今後もより多くの地域住民を対象にできるよう同様の活動をOPFと共に計画している。
また、Kalamba村の女性議員、Kalamba町議会の保健大臣、教育大臣、村長、教区長、準郡長 など6名の地域指導者たちも活動に参加した。
地域住民を対象としたトレーニングの目的は以下である。
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月経時の衛生管理の実践の妨げとなるブタンバラ地区に根付く文化的背景や誤解の軽減に取り組む。
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地域住民が必要としている生理用品の入手に対するニーズを把握し対応していく。
· 月経時の衛生管理に関する問題点を特定し、必要に応じて対応策などを提案する。
4. 第4回オンライン会議の実施
5月30日に2時間のオンライン会議を実施した。テーマは「月経時の衛生管理において沈黙を破ること」であり、若者間の月経時の衛生管理における沈黙を破り問題意識を高めるという狙いの下、13名の参加者とZoomでの議論を行った。
主な議題は、月経時の衛生管理における知識の低さが判明した調査結果や、言い伝えやタブーの文化要因により知識が限定し偏ってしまうこと、またそれに対する事業の介入、今後の方向性や提案などについてであった。
参加者の反応は以下である。
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月経時の衛生管理において沈黙を破り問題を拡散していくためにはラジオトークショーやコマーシャルなどの従来のメディアに加えてFacebookやTwitterを含むSNS媒体などの主流となっているメディアの両方を活用していく必要がある。
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演劇やドラマ、歌など、受益者がメッセージを簡単に受け取れることができる参加型の機会なども検討すべきである。
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布ナプキンは環境に優しく費用対効果が高いので、より多くの女性に布ナプキンの作り方及び使用方法をトレーニングしていく必要がある。
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様々なステークホルダーとの協力もさることながら、月経時の衛生管理に関する情報を広範囲の人々にアクセス可能な状態にしておくことは重要である。
事業による効果的な影響
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オンライン会議への参加者は互いに学ぶことに意欲的であり、参加形式で意見共有を行うことができた。
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オンライン会議への新規参加者は議題について学ぶことに非常に熱心であり、今後は会議の参加者を募ることへの協力を約束してくれた。
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月経に関する沈黙を破ることを目的としたオンライン会議は非常に有益であり参加者は感謝をしていた。
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ラジオトークショーのリスナーは学校水準を大いに改善した事業に対しSORAKに感謝をしていた。(ムベンデ県)
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ブタンバラ県のKalamba村での地域住民を対象としたトレーニングの中で参加者は更なる布ナプキン作製トレーニングを希望していた。
課題
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オンライン会議中にインターネットが不安定になることがあったが、参加者は復旧するまで辛抱強く待ち、継続することができた。
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布ナプキン作製に必要な生地や材料が足りないことが課題である。トレーニング受講生からの寄付や地域の他団体との協力を奨励している。(ブタンバラ県)
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Kalamba村での布ナプキン作製トレーニングは多くの受講希望者にも関わらず、時間が限られていた。 (ブタンバラ県)
教訓
オンライン会議を通して月経時の衛生管理の情報入手方法に課題があることが明らかとなった。布ナプキン作製に必要な生地や材料の不足においても戦略的な解決策を考える必要があるが、地域の他団体と協力することで地域住民の参加率も上がり、より多くの受益者を対象にすることができることがわかった。
提案
オンライン会議により多くの参加者を募るには、様々なプラットフォームで共有可能で視覚的にも有効なチラシを活用すべきである。