2022年1月2日日曜日

【女の子の教育環境改善】2021年11月マンスリーレポート「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」

202111月 JICA 月次レポート 

表敬訪問の様子(左から順にブタンバラ県、ワキソ県、ムベンデ県)


対象地域における事業計画の導入及びベースライン調査

■20211116日~1122日(事業の導入)

■20211129日~126日(ベースライン調査のデータ収集)

 

<活動状況>

活動の対象地域であるワキソ県・ブタンバラ県・ムベンデ県、それぞれの県の最高責任者であるCAOChief Administrative Officer)と連携を取りながら、事業の導入を始めた。まず、CAOへ表敬訪問の際には、(JICAからの)CAOへの紹介状、Global Bridge NetworkGBN)、JICA, SORAKとの間で交わしたミニッツ(合意書)や事業計画書などの書類を持参し、本事業の説明・紹介をした。その際に、各県の地方政府にて、以下の学校を対象校として選抜してもらった。                 下記、*各県にて選抜した対象校(全30校)参照

以下の各県にて選抜された対象校にて、ベースライン調査を開始した。データ収集の作業は126日まで継続する。よってベースライン調査の詳細は、12月の月次報告書、及びベースライン調査報告書にて明らかにする予定である。


*各県にて選抜した対象校(全30校)> 

ムベンデ県

ワキソ県

ブタンバラ県

² Christ the King Nkadwa

² Kabbowa primary school

² Kasaana Church of Uganda

² COWADISA primary school (Kibalinga Sub- County)

² Kategga Primary School

² Dyangoma Primary School

² Ikular Primary school(Kigando Sub- County)

² Kiyiita primary school

² Kassasa Primary School

² Gwanika primary school (Nabingoola Sub- County)

² Lwadda Church of Uganda primary school

² Kitanda Church of Uganda primary school

² Ssanga Church of Uganda primary school

² Buwambo Church of Uganda primary school

² Kirolo UMEA primary schools

² Kigoogwa Moslem primary school

² Kitungwa church of Uganda primary school (Gombe Division)

² Maganjo UMEA primary school

² Jinja Karoli primary school

² 10-Kanyange Mixed primary school (Nabweru Division)

² Butalunga Catholic School

² Butende UMEA

² Kitagobwa Catholic School

² Lwamasaka UMEA

² Kiwala UMEA (Ngando Sub- County)

² Nkokoma Catholic School

² Nawango Church of Uganda

² Bule UMEA (Bulo sub-county)

² Ntolomwe UMEA

² 10-Kayenje Catholic School in (Gombe Sub- County)


<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

本事業は女子生徒が安心して通学できるような状況の改善に希望が持てると各県で歓迎された。また、本事業は様々な学校、例えば、在校生が多い学校も、支援がほとんど受けられていないような学校も、いずれの学校も支援する事業であると認知された。

 

ブタンバラ県ではこの事業がきっかけとなり、女性調査官を募集・雇用する必要があると認識した。これは本事業が女性に関連する内容であるにも関わらず、県内の教育管理部には女性が一人も在籍していないことに気付いたからである。これを受け、CAOは月経時の衛生管理事業における経過観察をより効果的に行うことができる女性調査官をすぐに雇用するとの意向を示した。また本事業の実施者であるJICAGBNSORAKWASHWater, Sanitation and Hygiene:水と衛生)実施においても重要なパートナーになると認識された。

 

ムベンデ県では、県の学校調査官が女子生徒の出席率向上につながる活動だと喜んだ。特に本事業は長期ロックダウン後の現在にふさわしいプロジェクトであるとし、SORAKをはじめとするパートナーに感謝を示してくれた。

 

ワキソ県では、県の副責任者がこの事業を歓迎し、その後プロジェクトチームを県の教育長に紹介してくれた。教育委員は支援が届いておらず手を付けられていない地域も対象にしていることに感心し、ナンサナ市の管轄下にあるナブウェル及びゴンべでの活動を勧めてくれた。ナンサナ市での滞在中、市の教育長であるルワンガ氏にも歓迎され、彼はその場ですぐに活動対象校10校を選定してくれた。その後紹介された副書記官はSORAKの尽力に感謝し、ナンサナ市での活動を正式に受け入れた。

 

どの県の責任者もJICAという日本の国際協力機構について常々耳にし、様々な分野の発展において重要なパートナーであることを認めており、本事業がJICAの事業であることから、不十分な教室のスペースやトイレの不足など様々な他の課題に対しても支援してくれるのではないかと期待を持った。SORAKは本事業が女子トイレの改善を目的とした限定的なパイロットプロジェクトであることを説明したが、県の責任者の表敬訪問においても、想定以上のサポートを期待されていることを確認した。


<直面した問題>

Ø  ブタンバラ県への表敬訪問時、CAO(県の最高責任者)が他の会議に出席しており長時間待たなければならないことがあったが、その時間を使って県議長と会うことができた。

Ø  ンガンド地域のインターネット接続は非常に弱く、調査チームがオンラインのアンケート(ネットを通した質問票)を実施することが困難であった。オンラインアンケートが実施できればリアルタイムで回答を得てデータ収集ができるが、地域のネット環境によりできなかった。そこで、音声を録音しておきインターネットが繋がる場所に移動した後に対応することで対処した。

Ø  多くの部族で構成されるムベンデ県にて、ローカル言語に馴染みのないプロジェクトチームのスタッフが対象校にて英語を話せない女子生徒(英語はウガンダの公用語)とのコミュニケーションをする際に言葉の壁が生じたが、現地のローカル言語が分かる事業のボランティアに女子生徒との通訳を担ってもらうことで対応した。

Ø  ワキソ県では、雨季のため道路状況が悪く、予定を翌日などに変更せざるを得ない状況となった。しかし、このような状況に忍耐強く向き合い、個別に日程を調整することで予定通り事業を実施した。

 

<教訓>

政府は現在、テロの脅威増加に伴い、NGOや市民団体と協働することに関して非常に敏感になっている。これはNGOの中には政治的目的をもって活動し、他の団体に不利益をもたらすような組織が存在するからである。活動を円滑に行うためには県の地方政府機関やセキュリティオフィスに前もって活動内容を通知することが重要であることを学んだ。


女子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子
(ワキソ県ナンサナ市ゴンべ サンガ小学校)

男子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子
(ムベンデ県チガンド準郡 イクラ小学校

事前調査の前に説明を受ける生徒たち
(ワキソ県ナンサナ市ナブウェル マンガンジョUMEA小学校)

トイレの現況
(ワキソ県、ナンサナ市、ゴンべのチタンダ小学校)

女子生徒によるフォーカスグループディスカッション
(ムベンデ県チバリンガ準郡 カウォディサ小学校)


ナンサナ市教育長とのインタビュー


<関係者のコメント>




ブタンバラ県 CAO(最高責任者)

「今回の月経時の衛生管理事業の導入にあたってブタンバラに女性の調査官が在籍していないことに気が付きました。女性を優先的に雇用できるように人事部と連携し、採用に努めます。」



ムベンデ県チバリンガ準郡カサナ・ウガンダ教会小学校のPTAメンバー

「この事業を私たちの学校で実施してくださることに感謝します。この事業は女子生徒が生理用ナプキンを手にし、安心して学校に通える手助けとなります。我々はいつも生徒の母親たちにナプキンとして使うために布切れを持たせるように伝えています。しかしこれは決して快適なものではなく陰部を傷付けてしまうこともありますし、何度も洗わなければならないので結局家にいることを選んでしまうのです。ナプキンが買えないために布を洗い続けているのです。」


SORAK代表

SORAKはこの度GBN及びJICAとパートナーシップを結んだことに関し、大変喜ばしく思っております。ウガンダの発展に常に貢献されているJICAと共に活動できる機会を頂けるのは非常にありがたいことであります。今回訪問した行政機関をはじめ様々なプロジェクトサイトの関係者がJICAからのさらなる支援に期待しております。」




過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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2021年12月15日水曜日

【経済的自立支援】第3四半期報告(2021年7月~2021年9月)


工場内の売店に立つ販売員

はじめに

本事業の第3四半期に実施した活動報告である。事業を確実に継続し、持続可能にするために、新たな学びや経験を積むと同時に、随時変更や調整をしていくことが重要であると考えている。

3四半期の期間においては、パンやドーナツの生産活動の他に、売り上げを安定させることを目的とし、クッキーなど新商品の開発や市場拡大にも取り組んだ。

動概要 

1.   ドーナツとパンの生産

2.   マーケティングと流通

3.   工場内の熱不足によってドーナツの発酵が思うように進まなかったため、十分な熱を保てるよう壁の隙間を補修した。壁に隙間があると空気が循環し、生地が膨みにくくなり、工程に遅れが出てしまうためである。

4.   マイクロクレジット活動の実施にむけて、女性・若者を動員しトレーニングを行った。活動は2022年の1月より実施予定。

ドーナツの発酵に必要な熱を保たせるため、壁の隙間を鉄製のシートで覆った。

主な成果

生産活動を持続し、新たな顧客の開拓に力を入れたため、我々のパンやドーナツへの需要が増加した。

課題 と今後の提案

1.   コロナウイルス第二波によるロックダウン;我々の主な市場である学校の閉鎖が継続しているため、顧客確保に大きく影響を受けた。

2.   原材料の価格高騰;これは深刻な課題である。政府は燃料を含む様々な製品に対し増税し、その結果2021年初めの頃と比べ小麦粉や食用油、砂糖などといった原材料の輸送費が値上がりした。例えば、150kgの小麦粉は6月に126,000シリングであったのが現在は137,000シリングに、20リットルジェリカンの食用油は6月に112,000シリングであったものが現在141,000シリングまで値上がりした。

3.   限られた資金: 地域の需要を満たす分量のパンとドーナツを生産するためには小麦粉や食用油などの原材料を十分に確保することが必要である。そのためには資金の確保も必須となる。

4.   販売促進における限られた交通手段; 燃料費の高騰を受け、バン(小型の中古車)の使用を一時停止しているため、バイク2台のみで運営している。

5.   燃油の高騰(バイクとミキサーのエンジン用)

増税の影響を受け、20216月には1リットル3,400シリングであったガソリンが今現在(7~9月)は4,500シリングである。これはビジネスの可能性を狭めるだけでなく、拡大に向けての貯蓄も困難となる。

課題に対する取り組み

様々な課題への取り組みとしてSORAKは以下の事を実施した。

1.   ロックダウンが解除された後も状況が通常に戻るまでは量を抑えつつ、生産を続けている。

2.   生産コストに見合う価格で生産を継続していくため、商品サイズの縮小を試みている。

3.   原材料などの必要なものを確保するために、更なる資金を調達する方法を模索している。

提案と次のステップ

1.   焼いたり、熱したりを自動でできる性能の良い機械を導入すること。

2.   適時に商品を市場に配達できるような交通手段を得ること。

3.   ドーナツ生地をより素早く発酵させるように暖房室を建設すること。

4.   市場の維持と拡大をすること。

5.   より多くの若者や女性がマイクロクレジット活動に参入できるように呼びかけること。


工場内の売店に陳列された商品

工場の管理者が出荷前に点検作業を行っている



過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「マイクロクレジットを通した女性や若者の経済的自立支援」事業報告書一覧


※本プロジェクトは皆様の寄付などを含む自己資金を活用しています。



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2021年11月6日土曜日

【環境保全】環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業 

2021年12月~2022年11月ウガンダ共和国ムベンデ県・ルサリラ地区にて新規事業が始まります!

公益信託 大成建設自然・歴史環境基金からの助成になります。

  ◆ゴミによる環境悪化!?

ウガンダのルサリラ地区は、国境(コンゴ民主共和国)に向かう交通の要所として急速に発展している人口5,000人ほどの地域です(下記地図参照)。

しかし、発展と同時に人口が増加し、毎日少なくとも0.5-1t程度の廃棄物が出ています。 

住民は無秩序にゴミを投棄するため、その廃棄物による土壌汚染、人間・家畜が利用する水源も汚染され、さらに汚染は人々の健康被害(水の汚染による感染症等)にまでおよび、事態は悪化するばかりです。

投棄されている廃棄物は、食品残渣やバナナの葉などの有機物、ビニール袋・包装紙、プラスチック、ペットボトルや瓶、缶などの自然に還らない容器包装などが混在している状態です。

 

水辺にもごみが散乱している


なぜこのような状況になるのでしょうか!?

根本的な原因は、人々の知識が不足していることです。

廃棄物の投棄から生じる健康被害、それによる環境汚染等の問題、また分別方法などについて、住民の知識が欠如していること、加えて行政による廃棄物の回収やリサイクルの制度が存在していないことが大きな要因です。

また、このような廃棄物を再利用できるという利点についても、もちろん認知されておりません。

例えば、有機廃棄物から堆肥を生産し農業に活用できること、また自然に還らない廃棄物は業者が買い取ってリサイクルし、再び資源として活用できるという、そのような利点を住民が理解することで、環境は改善されるのではないかと考えています。 

投棄されたごみは住民により燃やされている

◆このような状況を受け、私たちは以下の活動をします。

<事業の目的>

住民が適切な廃棄物の処理と環境改善についての知識を習得し、

有機廃棄物の堆肥化、リサイクルできる廃棄物の分別・利活用が実施され、

さらにその販売益を通して廃棄物処理が継続されることにより、

対象地区の環境が改善され、持続的に美化されること。


<対象者> 

ムベンデ県ルサリラ地区の住民1,000家庭(凡そ5,000名)

 

<活動内容>

 地区住民に向けた廃棄物の処理方法、廃棄物の活用方法に関する教育活動

 ☆地区全体に情報や環境教育トークを流すためのコミュニティラジオのシステムの導入し、環境保護の啓発のためのCMソング・スポットメッセージ流す☆

●廃棄物の分別、有機物の堆肥化、資源としてのリサイクル化(ゴミ箱の設置含む)

●環境保全グループの組織(廃棄物の投棄や分別を指導する)、法律の制定に向けた取り組み


<目指す成果>

  コミュニティラジオの環境教育トークを聞いた住民が、適切な廃棄・分別方法による環境保全を理解するようになること。

  住民がゴミを適切に処理するようになり、さらに有機廃棄物の堆肥化、リサイクルできる廃棄物の分別・利活用が行われるようになること。

  今回の事業により設立する環境保全グループによる活動、また地方政府と協力し法整備を行うことで、地区に持続的な環境保全の仕組みができること。


ゴミだらけの地域がどのように変化するか、今後の報告をお楽しみに!


報告書一覧はこちらです↓↓


*このプログラムは、公益信託 大成建設自然・歴史環境基金からの助成により運営しております。

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2021年8月15日日曜日

GBNは会員を募集しています!

 

会員として参加する

GBNでは、活動に共感して応援してくださる方、共に活動してくださる会員を募集しています。GBNの活動に興味がある、支援したい、そんな団体・個人はどなたでもご入会できます。

 

【会員として入会すると】

・現地プロジェクトの様子をレポート、動画等でお知らせいたします。

・日本で開催する交流会、プロジェクト報告会等のイベントにご招待いたします。

ご要望に応じて、リアルタイムで現地と交流したり、現地の様子をお伝えします。

・会員様のご意見やアイディア・企画を取り入れます。

 

 【会員種別と年会費】

会員の種別には、「正会員」と「賛助会員」の2種類があります。

 

●正会員: 総会は、正会員総数の2分の1以上の出席で開会することができ、正会員は総会での議決権があります。年会費は、個人正会員・団体正会員ともに5,000です。

 

●賛助会員:総会での議決権はありませんが、オブザーバー参加が可能です。年会費は、個人1口 3,000円(1口以上)、団体1口 30,000円(1口以上)です。

 


会員種別の定義については、「定款」「会費規程」をご確認ください。「定款」「会費規程」はWebサイト上で公開しています。

 

「定款」


「会費規程」

 

【入会のお申し込み】

WEBフォームからの申し込み

https://forms.gle/ULyD5C6Z4VRRubdZ6

●以下のQRコードからもWEBフォームへのアクセスが可能です


Webフォームでのお申し込みが難しい場合は、ご相談ください。


【入会手続きの流れ】

GBNでは、ご入会申し込みを受け付けた後、理事による承認手続きを経て、ご連絡をします。入会までの流れは下記の通りです。

 

入会のお申し込み

  ↓

受付メールの送信

2週間以内に「承認のご連絡・会費の振り込みのご案内」をメールで送付

入金確認後、登録完了のご連絡

 

2週間経っても登録案内が来ない場合には、お手数ですがご連絡をお願いいたします。

2年目以降の会費のご請求は、入会時期に関わらず、毎年4月となります。

 

【会費の納入】

オンライン(クレジットカード)決済

寄附サイト、Syncableを通じて会費をお支払いいただけます。寄付頻度を「今回のみ」として、会員種別に応じた金額をご選択ください。

 

◆リンク先:https://syncable.biz/associate/Globalbridgenetwork/donate/


 ●銀行振込

  <銀行名>   ゆうちょ銀行

<口座番号> 3801889

<店 番>  098

<名 義>  特定非営利活動法人 Global Bridge Network

※領収証をご所望の場合は、お手数おかけいたしますが下記のアドレスにご連絡をお願いします。

 

 【ご連絡先】infoglobalbridgenetwork.org

     (★を@に変更してお送りください。 






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