2021年1月31日日曜日

【SORAKから報告】コロナ禍における現地パートナーの取り組み

女性や少女にコロナによる影響について調査

 

ウガンダにおける2020年のコロナウイルスに関する概要

2020311日、世界保健機構(WHO)により、新型コロナウイルスは世界規模で同時期に発生したパンデミックであり、あらゆる国や国境を越えて大流行している緊急事態と宣言された。多くの国がCOVID-19の感染者を抱え、アフリカ諸国でも2020415日時点で10,000を超える感染者が出た。

ウガンダでは、2020322日にドバイから入国した男性(36歳)が最初の新型コロナウイルス感染者と報告された。それに続き、ウガンダの大統領はウイルスを拡散しないための広範な政策(ウガンダの国境(陸空)の閉鎖、教育機関の休校、公共や私用の運送の禁止、2週間のロックダウン、19時以降の外出禁止)を発表した。

Resident district commissioners(郡の知事)に関しては、感染者(症状が出ている者)を医療センターへ送るための唯一の許可付与者という新たな権限を与えられた。2週間のロックダウンを終えた430日以降、さらに21日間延期され、ロックダウンの延長は、小規模の自営業者やその日暮らしの生活をしている貧困層の収入減に直接影響を及ぼすために大きな動揺を与える決定となった。

420日、ウガンダではコロナウイルス感染者55名、治療中28名、死者0名と報告された。ロックダウンは当初は、数週間延期されるという見込みだったのが、数か月に及んだ。202010月にようやく緩和され、SOP(感染予防対策のガイドライン)に基づき各学校の最終学年の生徒への授業が再開され、お祈りの集会と70名を上限とした会合が許可された。

さらに、COVID-19と並行し、大統領と議会の国内総選挙が実施され、現在の規制では200名以上の集合は禁止されている。202117日、ウガンダでは222名の感染者を抱え、累計の感染者は37,296名となった。死者の累計300名、回復者の累計12,619名(PCRテストを受けた人数:計775,941名)となった。

 

コロナウイルスに対する取り組み

活動1: 社会的弱者である女性や少女とグループディカッションを行い、コロナ禍のロックダウンにより彼女達の生活や人権への影響調査を実施(20207月)

主な調査結果

·   少女のほとんどは学校へ戻る希望を失い、早婚を選択せざるを得ない

·   ロックダウンにより仕事を失った男性による家庭内暴力が増えた

·   学校閉鎖により保護されない状況に置かれた少女へのレイプや強姦による性的暴力が増えた

·   家に滞在する時間が増えたために、望まない妊娠をする女性や少女が増えた

·   コロナ禍による望まない妊娠の結果、望まれない乳児が増えた

·   ロックダウンで営業停止になってしまい、市場で売り子をしていた女性は経済活動を失った


女性や少女にコロナによる影響についてグループディスカッション


女性や少女にコロナによる影響についてグループディスカッション


活動 2: 村々へ出向き、ロックダウンによる在宅中の少女の早婚や妊娠に関する危険性を啓発(20208月)

メモ: 危険性というのは、早婚または望まない妊娠、性行為による感染症の罹患、性的虐待による死亡などのことで、これは犯罪であり収監されるべき刑罰である。特にロックダウン中に学校に行けない少女たちは危険にさらされるため、安全な場所で保護しなければならない。警察は、性的虐待を受けたらすぐに通報すること、少女を危険な場所へ送らず安全に保護すること、家事などで忙しくさせ、クラフトや絵画などをすることでスキルアップさせるように助言した。

ロックダウン中の暴力や性的虐待の危険性をコミュニティに啓発する警察官


活動3: 社会的弱者である女性や少女が食料を確保できるように、豆やトウモロコシの種を配布(SORAKの自己資金)

チバリンガ準群にて、青少年にトウモロコシの種を配布

チバリンガ準群にて、立場の弱い女性には豆を配布


活動4: Peace Corps(米国の平和部隊:日本の青年海外協力隊の米国版)との協力により、 妊娠中または授乳中の母親へ蚊帳の提供(20207月)

 



SORAK
の代表が蚊帳を女性たちに配布している様子

活動5: Untapped Shores International USA inc.からのサポートにより、社会的立場の弱い少女や10代の母親に、水タンクの作成を通じた、水や公衆衛生におけるビジネスのトレーニング

水タンクを作り販売することで水や公衆衛生を促進させる事業・ビジネスである。コロナ禍において特に手洗いは非常に重要であり、手洗いやその他家庭内での水使用へのニーズに応えることにもなる。需要に応じて多くの世帯に水タンクを提供できるように少女たちを訓練した。要望に応じてタンクを作るたびに収入を得ることができるようになり、自分たちの家計を助け、生活費を稼ぐことができるようになった。

貯水槽を作る道具を受け取った水事業トレーニングの受講者たち。

貯水槽を作る女性メンバーにジェンダーに基づく暴力に屈しないよう呼びかける代表

作成中の水タンクを見せる受講者の少女

   

活動6:ムベンデ県のLusalira村にてロックダウン中のごみ収集に参加(2020年7月)


地方のトレーニングセンターからごみ収集に参加した


昨年のコロナ禍で、SORAKの数々の取り組みでした。
2021年は世界中でコロナが収束し、人々が安心して生活できる環境を願います。

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