2023年3月29日水曜日

【女の子の教育環境改善】2022年2月マンスリーレポート「 布ナプキン作成用スタートアップ資材の提供及びレーニングの実施、改訂したブックレットの配布、モニタリング 等」

 

ブックレットを受け取った生徒たち(Jinja Kalori初等学校)

<活動状況>

1.   各対象校へ布ナプキン作成用スタートアップ資材の提供及び布ナプキンの作成トレーニングの実施(ムベンデ県)

2.   各対象校へ改訂したブックレットの配布

3.   ラジオトークショーの実施(ムベンデ県・ブタンバラ県)

4.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

5.   対象校においてモニタリングの実施

6.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県・ブタンバラ県)



 

1.     各対象校へ布ナプキン作成用スタートアップ資材の提供及び布ナプキン作成のトレーニングの実施

228日、32日にムベンデ県の対象校10校において布ナプキン作成のトレーニングを実施し、教員、MHM(月経時の衛生管理)クラブの部員や高学年の生徒、地域住人が参加した。



 


2.    各対象校へ改訂したブックレットの配布

保健省からのフィードバックを受け改訂したブックレット300部を各県の対象校10校へ10部ずつ手渡した。生徒たちに閲覧の制限をかけるなどはせず、月経時の衛生管理講義などの際にブックレットを参照するよう教員に奨励した。


ムベンデ県



 

ワキソ県


 

ブタンバラ県


 

3.   ラジオトークショーの実施(ムベンデ県・ブタンバラ県)

217日にムベンデ県チバリンガ準郡のラジオ局「Luna Fm」で1時間のラジオトークショーを実施し、生理用品を購入できない女子生徒が快適に学校に通えるようサポートするように地域の住民に呼びかけた。主な話題は、対象校において実施している布ナプキン作成のトレーニングや教員や生徒が布ナプキンに関する知識を深めることを目的に配布したブックレットについてであった。地域においても月経の課題に取り組むきっかけとなることに期待している。


 

ブタンバラ県では、226日、27日にラジオ局「Voice of Butende」よりトークショーを実施した。ブタンバラ県のプロジェクトチームリーダーは学校再開後も月経時の衛生管理の活動を継続していくことを説明し、家庭と学校の両方において正しい情報を子どもたちに提供することの必要性を住民に呼びかけた。また、前学期に男子生徒の活動への参加を推進した教員及び保護者を高く評価し、今後も継続していくことを働きかけるとともに、女子生徒においては月経時の衛生管理や生殖に関する問題に直面した際に、周囲の教員や保護者に打ち明けるように奨励した。

また、ンガンド準郡のHappy-padプロモーションセンター設立に伴いトレーニングへの参加、登録が可能であることを地域住民に呼びかけた。

  


4.   女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送

月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。

• ムベンデ県:Luna FM16回)

• ワキソ県: Voice Kiryagonja(1日10回)

• ブタンバラ県:Voice of Butende(31回)、Voice of Kikambwe(21


5.   対象校においてモニタリングを実施

学校施設の状態の確認、月経時の衛生管理クラブや布ナプキン作成のトレーニング、また啓発活動の状況の把握を目的にモニタリングを実施した。施設の状態などの評価は指標を用いて行い、事務所や、洗面所、更衣室など様々な施設の現状や、啓発活動や布ナプキン作成のトレーニングの状況、また月経時の衛生管理クラブ、男性教員、女性教員からの報告を元に状況を把握し評価を行った。詳細はモニタリングレポートに記載している。

Ÿ   ワキソ県 221日~228日にプロジェクトオフィサーが実施した。

Ÿ   ムベンデ県 228日~32日にプロジェクトマネージャーとプロジェクトオフィサーが実施した。

Ÿ   ブタンバラ県 226日、227日にプロジェクトチームが実施した。

 

ワキソ県


 

ブタンバラ県



 

ムベンデ県



 


6.   Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県・ブタンバラ県)


n  ワキソ県

GBNより紹介を受けたSempala氏、Wagaba Emmanuel氏のプロモーションセンター訪問

訪問目的: ナプキン作成を学び、ナプキンの販売方法の模索

27日にSempala氏、Emmanuel氏のHappy-padプロモーションセンター訪問を受け、布ナプキンの作成トレーニングを実施した。どちらの方もミシンの使用方法を知っていたため、型紙の作り方や使い方、各材料の使用用途や並べる順番、ボタンの付け方を学ぶところまでのトレーニングとした。また、ナプキンの内部の構造や材料の重なった順番を見られるように完成していたナプキンの一つを開き説明をした。



 

n  ブタンバラ県

2月は女性7名、男性2名が布ナプキンの作成トレーニングに登録し受講している。この受講生たちはセンターのオープニングと同時に登録をした受講生であることから受講料は徴収していない。また、布ナプキンの商品としての生産に向けた準備を進めており、3月の3週目には最初の生産を予定しているが、製品の規格書の作成については、まだ改訂を重ねている段階であり合意に至っていない。プロモーションセンターでは常勤で活動を管理するIT担当者としてChristine Atala氏を雇用した。今後は彼女がセンターの宣伝やトレーニング受講生の登録、ナプキン生産の管理などにおいて責任者となる。




<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·        参加者(生徒、教員、保護者)が布ナプキンの作成方法を学ぶことについて意欲的であった。(ムベンデ県)

·        Christ the King初等学校の生徒をはじめ男子生徒が積極的に活動に参加しており、ナプキン作りにおいても熱心であった。(ムベンデ県)

·        Kabowa初等学校などミシンの基本的な操作を知っている生徒がいたため、トレーニングが円滑に進んだ(ムベンデ県)

·       トレーニングやモニタリングの後、参加者はGBN及びSORAKの支援及びイニシアチブに感謝した。(ムベンデ県、ワキソ県)

·       布ナプキン作成トレーニングの中でナプキンの質感を伝えるためにサンプルを生徒に配布し、全ての学校において良い反応があった。(ムベンデ県)

·       Kabowa初等学校など布ナプキン作成に使用できる材料をすでに保有している学校もあり、緊急用のナプキンを作るのに役立てることができた。(ムベンデ県)

·        Katega初等学校では長期休暇中にミシンの使い方を学んだという教員がおり、生徒のトレーニングを担当することができるようになった。(ムベンデ県)

·        Gwanika初等学校ではナプキン作成トレーニング開始前である長期休暇中においても、制服の作製にミシンを活用し、雇用しているテーラーの月給を賄った。(ムベンデ県)

·       ラジオのリスナーは、月経時の衛生管理における有益な情報提供に加え、学校でのナプキン作成トレーニングやブックレットの配布など、SORAKの活動に感謝を示した。(ムベンデ県)

 

<課題>

Ÿ  トレーニングに必要な道具の数に対し受講する生徒の数が多かったこと。(ムベンデ県・ワキソ県)

Ÿ  学費が足りないことや、学校の要件を満たしていないことから新学期になっても学校へ帰ってこなかった生徒もいたが、在学している同級生でナプキン作成などの活動を行っていく。(ムベンデ県)

Ÿ  10校のうちKabowa初等学校の生徒一人のみがミシンの使い方を知っていたが、その他の生徒は今後じっくりとトレーニングを受ける必要がある。(ムベンデ県)

Ÿ  Kasasa初等学校のように校長や男性教員が異動となったり、Kiyita初等学校のように女性教員が異動となった学校もあった。これらの異動は最近のことであるが、月経時の衛生管理の課題において徐々に責任を引き受けていってくれている(ムベンデ県)

Ÿ  新学期が始まり最初の2週間は生徒たちの出席率が低く、モニタリング活動に遅れが生じたこと。

Ÿ  プロジェクトマネージャーが休暇を取った際に、チーム内でコミュニケーションがうまく取れなかったこと。(ブタンバラ県)

Ÿ  月経時の衛生管理クラブの部員のなかで初等部卒業試験を受け、別の学校に進学した生徒もいたため、新たに部員を立てる必要があった。

 

<教訓>

·        男子生徒や男性の参加は今後も継続して働きかけるべきである。

·        Happy-Padプロモーションセンターにおいてトレーニング受講者を獲得するには地域での宣伝活動はもちろんのこと、最初の3か月間のトレーニングを無料にすべきである。(ブタンバラ県)

·        対象校において月経時の衛生管理への取り組みが継続的に実践されいること、また衛生状況が大幅に改善したことがモニタリングを通して判明した。

·        月経時の衛生管理クラブは7年生よりも下の生徒達で構成すべきであること、また学校を進学・休学する生徒に関して引継ぎの計画を立てる必要があることが分かった。

·        学校でのナプキン生産を促進するには今後も継続してフォローアップする必要があることが分かった。(ブタンバラ県・ワキソ県・ムベンデ県)

 

<提案>

·        販売用の布ナプキンを標準化するべきである。ナプキンの形状は統一し、様々な体型の人に合わせ異なるサイズの製品を展開していく。また、必要なサイズが一目で見て分かるようにサイズのなどの詳細をパッケージに記載すべきである。(ワキソ県)

·        Happy-Padプロモーションセンターを維持していくためには、布ナプキン作成のみならず、ミシンなどのスキルを得たい人に対してもサービスを提供していくべきである。本事業の期間中は学校での月経時の衛生管理の課題の解消に向けたナプキン作成トレーニングに焦点をあてているが、センターでのナプキン販売の売り上げだけでは運営が厳しく更なる資金がなければ運営を維持できない状況にある。(ワキソ県)

·        SORAKチームは、販売する布ナプキンの販売価格を設定するにあたって、参考となる布ナプキンの実際の価格帯を探っている。現在市場では2枚セットのものが(小)7,200シリング、(大)8,400シリングで販売されている。(ワキソ県)

·        布ナプキンの更なる広告・広報が必要であり、今後SNS、ソーシャルメディアでの発信も活用していくべきである。(ワキソ県)






過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。


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