2022年6月28日火曜日

【女の子の教育環境改善】2022年5月マンスリーレポート「月経時の衛生管理・ナプキン作成に関するオンラインデモンストレーションの実施」

 

男子生徒がナプキンの型をとっている 。

<活動状況>

1.   教員用の月経時の衛生管理トレーニングマニュアルの仕上げ

2.   Happy-Padプロモーションセンターの改修作業及び月経時の衛生管理トレーニングの実施

3.   Happy-Padの取扱説明書(チラシ)作成

4.   月経時の衛生管理・ナプキン作成に関するオンラインデモンストレーションの実施

5.   教員を対象とした月経時の衛生管理トレーニングのオンラインデモンストレーションの実施

6.   協力団体VOTUによる啓発動画の共有

7.   対象校における衛生施設の修繕の進捗管理

 

1.   教員用の月経時の衛生管理トレーニングマニュアルの仕上げ

教員用トレーニングマニュアルの完成に向けた編集作業を行った。編集においては様々な文献を参考にし、またGBNとの会議も交え作業を進めた。完成した後に教員トレーニングのオンラインデモンストレーションでも使用した。当マニュアルには月経の対処方法、ジェンダー問題、性と生殖に関する健康において教員が生徒や学習者を研修する際の手引き、ワークショップの事例等が記されている。

 

2.   Happy-Padプロモーションセンターの改修作業及び月経時の衛生管理トレーニングの実施

Katalemwa secondary Schoolに位置する Happy-Pad プロモーションセンターは利用の準備が整い、また外壁の塗装も完了した。看板として用いるラベルも作成し外壁に掲げる予定である。以下の画像が看板の最終草案である。 


施設の運営、布ナプキン生産の研修の技術担当(トレーナー)としてNabirye Restetutaを任命した。ナプキン生産はKatalemwa Secondary School の学生92名(男子33名、女子59名)が月曜~金曜に行っており、現時点では研修料は取っていない。生徒はナプキン作りの過程をよく理解し、型にあわせた布の裁断ができるようになり、更にミシンの使い方にも慣れナプキンを縫えるようにもなった。学生たちはナプキン作りの方法を学ぶことに意欲的であり、学校外の人々が学びに来るよう奨励することに対しても前向きであった。








3.   Happy-Padの取扱説明書(チラシ)作成

Happy-Padの取扱説明書としてのチラシを作成した。チラシは利用者に使い方を説明するもので、布ナプキンのパッケージ内に封入する。また、教員のトレーニングマニュアルにおいても同内容を含める予定である。








4.   月経時の衛生管理及びナプキン作成に関するオンラインデモンストレーションの実施

513日にGoogle Meetを利用し、上述の布ナプキン作りのトレーナと共にオンラインデモンストレーションを実施した。Katalemwa secondary schoolの生徒やSORAKスタッフが現場で参加し、GBNVOTUのスタッフ、他のプロジェクト関係者がオンライン参加した。以下がデモンストレーションの主な内容である。

  •   生理用布ナプキンの作り方の紹介
  • 使い捨てでなく再利用可能なナプキンを使うことの利点
  • 布ナプキンの取り扱い方法

終了後にGBNVOTUから今後のオンライントレーニングに向けて実施方法を改善すべきだという意見が出た。以下はデモンストレーションの様子を撮影したものである。

 

学生がナプキンを下着に装着する方法を説明している 。


SORAK代表がナプキンの型紙を出席者に見せ、使用する素材の特性について説明している。

ナプキン作成後、学生たちが完成品の出来具合を確かめている。

5.   教員を対象とした月経時の衛生管理トレーニングのオンラインデモンストレーションの実施

527日、教員を対象とした月経時の衛生管理トレーニングのオンラインデモンストレーションをZoomで行った。SORAKチームは以前作成したブックレットの内容を共有しながらデモンストレーションを進めた。終了後にはGBNを含む参加者から以下の意見、改善点が挙がった。

·        時間管理を徹底すべきである。

·        可能な限り写真や動画などの実例やイラストを使用すべきである。

·        教員がマニュアルとブックレットの両方を用いて指導を行えるようにトレーニングしておく必要がある。

·        トレーニングの際は女性教員だけでなく男性教員も含めて参加者全員が確実に目的を理解しておくべきである。

 

6.   協力団体VOTUによる啓発動画の共有

ブタンバラ県の協力団体VOTUは月経時の衛生管理に関するメッセージを描いたアニメーションを制作した。動画の音声はラジオ番組の「Voice of Kikambwe」、「Voice of Butende」に提出され、5月中にスポットメッセージ(コマーシャル)として21回放送された。スポットメッセージ(コマーシャル)は以下のリンクから閲覧が可能である。 プロジェクトメンバーはこのアニメーションを活用することが推奨された。(https://youtu.be/whvtHmCh-Xg


7.   対象校における衛生施設の修繕の進捗管理

各県のプロジェクトチームは衛生施設の修繕の進捗状況を把握するために各校を訪問した。ほぼ全ての学校の修繕が無事完了していることがわかった。 

ムベンデ県では9校がトイレや洗面所の設備の修繕作業を完了しており、女子生徒が月経期間に安心して利用できる場所として機能するようになった。Christ the King小学校は引き続き地域住民からの寄付を募っている状況にある。

ブタンバラ県の学校は以下のような状況であった。


ワキソ県ではSsayi Bright小学校を除く9校で修繕工事が完了した。Ssayi Bright小学校はKigoogwa Muslim小学校の代わりとして市の教育長が新たに推薦した学校であり、対象校として選出されたことを歓迎した。 同校では女子洗面所にドアを取り付ける予定である。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

Ø  今回実施したデモンストレーションは多くの学生にとって初めて布生理用ナプキンについて知る機会となった。また、使い捨てでなく再利用可能なナプキンを利用する利点について学び、それを活用することに興味を示した。

Ø  オンラインデモンストレーションを行ったチームは効果的なトレーニングの実施において何が不足しているのかを特定し、今後のトレーニングに反映できるようにした。

 

<直面した問題>

Ø  オンラインデモンストレーションの際にインターネットの電波が弱く、接続が不安定になってしまったこと

Ø  電力不足のため、電気を使う手段を活用したトレーニングが実施できないこと。

Ø  市の教育長からワキソ県で新規で追加となった学校に関する情報が来るのが遅れ、結果として修繕作業にも遅れが生じてしまったこと。

 

<教訓>

Ø  実践的なデモンストレーションはメッセージを明確に伝えるためにも必須である。

Ø  インターネットや電気が不安定になった場合を想定し、別の方法でもトレーニングを続行できるよう事前に備えておくことが重要である。

Ø  予算内で実施できる以上の修繕を行った学校があり、地域住民からの寄付が間に合わず工事が滞っている。

 

<関係者のコメント>





過去の報告書一覧はこちらです↓↓
「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」事業報告書一覧


※本プロジェクトはJICAの草の根協力支援型として実施しています。



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