ウガンダにおける布ナプキン事業の対象校視察訪問レポート
(2022年7-8月)
コロナの影響でしばらく現地に行けなかったのですが、2022年ようやくウガンダへ渡航し、現在JICA事業として実施している「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」のモニタリングをすることができました!
学校訪問の際に男子生徒、女子生徒から構成される衛生管理クラブ(MHMクラブ)のメンバーとミーティングをしています。
このプロジェクトの前後での変化はありますか?という共通の質問をしているのですが、「男の子が月経のことを学んで、経血を見ても女子を笑ったり、からかわなくなった」
「トイレや洗面所を定期的に掃除をして、衛生環境が良くなった」
「先生に生理になったことを、相談しやすくなった」
と言った回答がありました。
学校毎に差はあるものの、生徒への啓発が進んでいることが実感出来ています!
ワキソ県の4校を訪問しました。学期の最後で、テストが終わったら生徒は帰ってしまったために、1校は生徒とは会えませんでしたが、先生方から進捗を伺うことが出来ました。
生徒との質疑応答でとても積極的にMHMクラブの役割や活動について発言してくれる熱心な学校もありました。
ブタンバラの対象校10校の視察を終えてカンパラに戻る道中です。
折角GBNが日本から来ているのに、自分の学校をスキップされるのは残念だという声が学校側からあり、急遽全ての学校を訪問しました。
MHMトレーニングの成果はどこの学校でも出ており、男子生徒が女子生徒をからかわなくなった、女子教員、男子教員両方がMHMの取り組みを自分ごととして捉えるようになった、学校の役割を認識した、家庭でもオープンに月経のことを話せるようになったというような意見が伺えました。
ブタンバラチームの連携の良さ、学校との関係性がきちんと構築できていることも実感できた訪問でした。
今回の訪問で見られた成果です◎
1.学校に着替え&洗面所を設置したことにより、女性生徒が生理中でも対処できるようになったおかげで女性生徒の欠席や中退が確実に減少しました。
2.男子生徒が月経についての理解が深まったことにより、女子生徒が不安を感じることがなくなりました。
3.さらに今まで生理中の女子をからかっていた男子生徒が、今では生理になった女子生徒をみると女性教員に助けを求めてあげたり、血が付いたスカートを自分の上着で隠して洗面所まで連れていくなどのサポートをするようになりました。
4.これまでは男性や男子生徒を巻き込むことは考えられなかったことでしたが、男性に女性の生理について理解・サポートしてもらうことは非常に効果的だと実感するようになり、新しいアプローチとして地域住民や教員に受け入れられました。
5.教員トレーニングを受けた教員は、学校内の他の教員にもノウハウが共有されただけでなく、自信をもって生徒に月経の問題について指導できるようになりました。
6.どの学校でもMHMクラブのメンバーおよび生徒全体に月経衛生管理の指導が定期的に実施されるようになりました。
7.コミュニティ啓発は地域住民やPTAに、改めて月経衛生管理は重要なことだと受け入れられました。
一方でまだまだ課題はあります。
1.乾季における水不足はどの学校でも難題です。
2.緊急用のナプキンや石鹸、バケツ、着替えの制服などが不足しています。
3.着替えの場所の屋根がなかったり、敷居が低くてプライバシーが十分に確保されていません。
4.恥ずかしくて生理について教員や保護者と話ができない生徒がたくさんいます。先生や保護者による気楽に話せる環境づくりが大切です。
視察時の動画もご覧ください!
●ムベンデ県
●ワキソ県
●ブタンバラ県
ご視聴ありがとうございました!!
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