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2022年11月10日木曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】GBN現地視察レポート_2022年8月

 


<モニタリング訪問の状況>

a)   準郡の指導者たちを訪問し事業に関するヒアリングを実施

b)   ごみの収集所の視察

c)    ごみの管理方法に関する情報拡散として利用するラジオ局「LUNA FM」を訪問

 

a)   準郡の指導者たちを訪問し事業に関するヒアリングを実施

GBNメンバーは730日にウガンダに到着し、731日にムベンデ県へと向かった。ムベンデ滞在中には実施中の活動の進捗を把握するために数か所を視察訪問した。

8月3日にはチバリンガ準郡の指導者たちを訪問し、準郡ホールにてミーティングを行った。指導者たちからの事業に対するフィードバックを受け、今後活動を維持していくための方法を共に模索することができた。

ミーティングには異なる議会から男性11名、女性4名が参加し、SORAKからは代表、プロジェクトオフィサー、プログラムマネージャーが出席した。

以下は参加者からの事業に関するフィードバックである。地域全体の清潔さが向上し、環境保全に貢献できていることから全ての参加者が、本案件のイニシアティブに感謝をしていた。一方で、懸念点や要望も多数寄せられた。

 

·        防衛局の指導者はごみの収集をより効果的にするためには、より多くのごみ箱をごみ収集地点に設置すべきだと要望した。

·        住民たちはこのような活動が当地区で行われることは想像もしておらず、このような支援をしてくれる事業パートナーに信頼を寄せていたが、一方で若者の生活支援として養鶏などの事業も要望してきた。

·        障がい者議会の議員は地区内に320人の障がい者が住んでいることから、生活自立支援としてミシンや車いす、松葉杖など寄付を要望した。

·        市場エリアに公衆トイレがないため、人間の排泄物で周辺の水質が汚染されていることを指導者の一人が指摘した。

·        女子を対象とする事業は数多くあるが、男子もまた様々な問題を抱えているため、男子を支援する事業の必要性を訴えた。

·        環境活動を実施するNPO団体のメンバーが、ウガンダで環境問題が積極的に扱われていないため、日本のような先進国の環境指針や実施事業、ごみの収集法や分別のシステムを学びたいと述べた。


 

活動写真

 

事業を継続していくための提案

·        分別を促進していくためには継続的に適切なゴミ処理について啓発を行うべきである。

·        啓発活動を継続していく中で、指導者たちは模範となるべきである。

·        ごみの管理方法に違反した者に対して、罰金をもって処罰する条例があるべきである。

·        地域の衛生状況を改善するこの活動に全ての住民が参加すべきであり、協力的でない者に対しては環境法の下で罰金を科すべきである。

·        住民間で少額の寄付を出し合いごみを管理するというこれまでの慣行を利用し、ごみ箱を空にする作業や収集地点から廃棄場所までの運搬費に利用していくべきである。

 

b)   ごみ収集所の視察訪問

準郡の指導者たちとのミーティングを終えた後、指定の場所にごみ箱が適切に設置されているのかを確認するため各設置場所を視察して回った。その後GBNチームは視察を通して気づいたことについて動画編集のためインタビューを受けた。

 

 

視察の結果

·         各収集場所に2つずつごみ箱を設置し、ひとつはプラスチックなどのリサイクル廃棄物、もう一つを有機廃棄物用にしているが、全てのごみ箱で混ざって廃棄されていた。

·         周辺で食べ物を販売している地元民を取材したところ、ごみを分別しなければならないことも異なる表示がごみ箱に記載されていることにも気が付いていなかったことが分かった。

·         ごみ箱不足などの課題はあるが、植物や木箱で代用するなど創造的に解決していくよう人々に呼び掛けた。

·         ごみの量を削減することはできたが、依然としてたくさんのごみが不法投棄されている。

 

c)  ごみの管理方法に関する情報を拡散するために利用するラジオ局「LUNA FM」を訪問

Luna FMのスタジオを訪問したが、時間の関係でラジオ放送をすることはできなかった。

 


課題

·        地域の指導者たちがGBNチームに寄せる期待が大きすぎるという問題があったが、今回の訪問の目的が現行の活動状況を視察することであることを明確にすることで解決した。

 

事業による効果的な影響

指導者たちは事業によって出た影響などの情報を快く共有してくれた。




報告書一覧はこちらです↓↓

「環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業」事業報告書一覧


※このプログラムは、公益信託 大成建設自然・歴史環境基金からの助成により運営しております。



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2022年10月4日火曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2022年7月~8月活動報告書

ミーティング中の環境保全グループとSORAKチーム

<各活動の進捗状況>

活動1.1情報やメッセージを地区全体に届けられるコミュニティラジオのシステムの導入

GBNチームは83日にチバリンガ準郡にあるLuna FM放送局を視察訪問した。

 


活動 1.2 地区住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)

広範囲への啓発のために、71315日に「Voice of Lusalira」メガホンラジオと、小さなメガホンを通して環境保全グループとラジオディレクターが30分間のトークショーを3回実施した。ゴミ箱の利用方法に関する啓発を行うと同時に地区内でゴミ箱が利用可能となること、またその設置日が716日であることを住民に知らせた。

          

活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(15回)

衛生状況の改善を目的にチバリンガ準郡の「Luna FM」ラジオ局を通して適切なゴミの処理方法を啓発している。地区内の住民に確実に基礎知識をつけるべく、以下のコマーシャルメッセージを15回放送している。

<ラジオコマーシャル>

  ウガンダの皆さん、ゴミの廃棄をきちんとしないことは、各家庭においても地域においても悪影響であることをご存じでしょうか。不適切なゴミの廃棄はコレラや下痢などの深刻な病気の原因となり、私たちの生活に害を与えます。ゴミの焼却もまた、どのような方法であっても環境破壊につながります。

SORAKはリサイクルや分別などゴミの管理方法を住民に啓発し、またゴミ箱を設置し、収集車でゴミを回収し分類やリサイクルをすることで清掃活動を支援してまいります。ルサリラ地区の皆様、ともに活動し地域の衛生状態改善に取り組んでいきましょう。

以上、Global Bridge Network-Japan並びにSORAKからのメッセージでした。

 

活動 2.1 ゴミの分別と安全な処理を目的に、ごみ箱2個ずつ5か所への設置

716日に地域の指導者、環境保全グループ、SORAKチームは地域住民に使用方法を説明した上でごみ箱2個ずつを5か所に、合計10個のごみ箱を設置した。2つのうちの1つは分解する有機廃棄物に使用し、もう1つはリサイクルできる廃棄物用にした。現在はまだ分別の監視を継続中であるが、きちんと分別ができるようになれば、SORAKがボランティア員とともに有機ごみを堆肥に加工していく計画である。

 

 

GBNチームがごみ箱設置場所5か所を視察訪問

8月3日、GBNチームと共にごみ箱が設置場所を視察し、指定の場所にごみ箱が適切に設置されているのかを確認して回った。その後GBNチームは視察を通して気づいたことについて動画編集者からインタビューを受けた。

 

 

活動 3.1 廃棄物の投棄や分別を監視する地域の環境保全グループ

712日、ごみ箱の設置開始に際して環境保全グループはSORAKの事務所でミーティングを持った。ミーティングの主な目的は適切なゴミ処理の方法に関する課題を議論し、また啓発を広範囲に行うなどの安全なごみ処理に必要な事前準備をしておくことであった。

 

ミーティングで議論された内容

·        地区長は環境保全グループが事業を改善していくために地域の指導者たちと常に協力していくべきであると助言した。

·        環境保全グループ員は10個のごみ箱では地区内全てのごみを収集できないとして、より多くのごみ箱を要望した。

·        環境オフィサーは使用可能な別のごみ箱を代用するように提案した。

·        ごみ箱の正しい利用方法を住民に知らせるため、啓発運動を3日間行うべきであると環境保全グループ員が提案した。

·        ごみ箱の盗難を防ぐため、ごみ箱に穴をあけるべきであるとの提案があった。


活動3.2 廃棄物の投棄を規制する条例の制定とその強化

GBNチームは83日にチバリンガ準郡ホールを訪問し、条例に基づいた環境保全事業、及び事業の成果に関して準郡の指導者たちからヒアリングを行った。

ミーティングでは活動がもたらした効果的な影響を評価し、事業に関するフィードバックを指導者たちからもらうことができた。また、どのようにこの活動を継続していくべきか今後の方針について提案が出された。

 

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         環境保全グループの全メンバーがごみ箱設置開始前ミーティングに参加してくれた。また、地域をきれいにする活動に感謝しており、今後もSORAKと協力していくことを約束してくれた。

·         指導者たちが事業に対して協力的であり、快く成果などを共有する姿勢であることがチバリンガ準郡ホールでのGBNチームの視察訪問の際に分かった。

·         ルサリラ地区長は、ミーティングの際に衛生に関連した彼自身の体験を共有し、地区内の衛生状況を改善するために尽力するSORAK及びGBNに感謝を示した。

·         地域住民や指導者たちは地域に対する素晴らしい支援、またムベンデ県を訪問したことにおいてGBNに感謝を示した。

<直面した問題 >

·        ごみの分別方法に問題があり、住民たちが食べ物の皮などの有機廃棄物とペットボトルなどのリサイクル廃棄物をきちんと分別できず、ごみが混ざってしまった。今後分別の重要性を唱える啓発活動を行う必要がある。

·        住民や指導者たちから、住民数に対してごみ箱が小さい・少ないなどの声が上がり、より多くのごみ箱を要求されたが、GBN代表は自分たちで入手できるもので代用するように提案した。

·        チバリンガ準郡のラジオ局「Luna FM」では非常に限られた時間しか滞在できず、適切なごみ処理方法に関するスピーチをする時間が取れなかった。

<教訓>

·        環境保全グループをはじめ地域住民や地域指導者のほとんどが、地域の生活状況を向上する素晴らしい活動を実施しているGBNSORAKに感謝していた。

  




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2022年7月18日月曜日

【環境教育と廃棄物の収集・リサイクルを通した環境美化事業】2022年5月~6月活動報告書

 

指定のゴミの収集場所へ設置予定の10個のごみ箱


<各活動の進捗状況>

活動1.1情報やメッセージを地区全体に届けられるコミュニティラジオのシステムの導入

コミュニティラジオ放送局の設置に際して個人や組織は国から許可を得る必要があるので、SORAKは許可を申請し、無事ラジオ運営の許可が下りた。ラジオは広範囲に情報を届けることができるうえ、メガホンよりも音質が良く、優れているといえる。3月25日にラジオ電波塔を設置した後、5月30日にその他必要な機材や設備を揃え、運営の準備が整った。

 

設置したラジオ塔と導入したラジオ設備

FMラジオを放送している建物の内観と外観


活動 1.2 住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)

20:3021:0030分間、LUNA FMを通して毎日トークショーを実施した。SORAK代表はトークショーの中でゴミ箱を使用するように意識改革(啓発)を試み、地区内でゴミ箱が設置され利用可能となることを説明した。ゴミ箱の設置は77日に予定されており、準郡長が指揮を執り正式に配置していく。

ラジオトークショーを実施中の代表(6月24日)


活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(15回)

衛生状況の改善や適切なゴミの処理方法を啓発するラジオコマーシャルの放送を64日から開始した。地区内の住民に確実に基礎知識をつけるべく、以下のコマーシャルメッセージをチバリンガ準郡のFMラジオで15回放送する。

<ラジオコマーシャル>


ウガンダの皆さん、ゴミの廃棄をきちんとしないことは、各家庭においても地域においても悪影響であることをご存じでしょうか。不適切なゴミの廃棄はコレラや下痢などの深刻な病気の原因となり、私たちの生活に害を与えます。ゴミの焼却もまた、どのような方法であっても環境破壊につながります。

SORAKはリサイクルや分別などゴミの管理方法を住民に啓発し、またゴミ箱を設置し、収集車でゴミを回収し分類やリサイクルをすることで清掃活動を支援してまいります。ルサリラ地区の皆様、ともに活動し地域の衛生状態改善に取り組んでいきましょう。


以上、Global Bridge Network-Japan並びにSORAKからのメッセージでした。


活動 2.1 ゴミの分別と安全な処理を目的に、ごみ箱2個ずつ5か所への設置

購入したゴミ箱が530日にオフィスに届き、ロゴやラベル付け、また元々は他用途のために作られた容器であったため上部の切り取り作業を行った。その後77日のゴミ箱設置の予定時間を知らせてもらえるよう準郡長と連絡をとりあった。


活動 3.1 廃棄物の投棄や分別を監視する地域の環境保全グループ

環境保全グループは地区内の住民を対象にゴミの適切な処理方法に関する啓発活動などを行っている。ゴミ箱の設置後のグループの活動として、ゴミ箱を不適切に使われないように積極的に監視していく。

 

活動3.2 廃棄物の投棄を規制する条例の制定とその強化

55日、チバリンガホールにて準郡長と専門委員、SORAKと地域の指導者たちが集い、ゴミの管理における新たな条例の制定を行った。環境保全グループの2名をはじめ様々な人が立ち会う中、当日中に条例が制定された。

条例の制定を行う議会に立ち会う準郡長、SORAK代表、議長、副議長、準郡議長、地域の指導者たち


<今後の計画>

·         正しいゴミの分別や安全な処理を目指し各所にゴミ箱を設置する。(77日)

·         SORAKの青年ボランティア員と共に有機廃棄物を活用した肥料づくりを目指す。有機廃棄物の堆肥化を積極的に取り入れるという農家も見つかっている。

 

<事業による効果的な影響およびもたらした変化>

·         チバリンガ準郡の議員5名がこのような素晴らしい事業を彼等の担当地域へも拡大するようGBNSORAKにリクエストしてきた。

·         準郡議長はゴミの管理に関する条例制定の場に意欲的に立ち会ってくれた地域の指導者たちに感謝を示した。

·         地域の指導者たちはルサリラ地区の衛生状況改善に努めるGBN SORAKに感謝を示した。

 

<直面した問題 >

·        時間を守らなかった指導者たちがいたこと。会議は予定通り行い、遅れてきた者に対しては最後に補足説明することで対応した。

·        地域の指導者たちからの期待が過大であり、説明したゴミ箱よりもより大きなものを要望されたこと。

·        障がい者議会の議員は障がい者の家庭に直接ゴミの回収に回ることをSORAKに要望したが、元々計画になかったため、障がい者の介護者に収集場までゴミを運んでもらうように伝えた。

<教訓>

·        多くの地域指導者たちは当事業を高く評価しており、地域の福祉向上を図るすばらしい事業を今後も展開していくようGBNSORAKに要請した。


<付録>                                                                                                              

5月5日に開催された廃棄物投棄に関する条例制定会議の議事録は以下である。

主催者:準郡長、専門委員、地域指導者

会場:  ムベンデ県チバリンガ準郡ホール

出席者:準郡議長、副準郡議長、議長、副議長、議員18名、行政教区長12名、プロジェクトスタッフ5     名、環境保全グループ員2名、ルサリラ地区長

 

議長は地域住民が提示した条例において追加及び改善の議論を開始し以下が提案された。

·        ゴミの誤った取り扱いには30,000シリング(約1,100円)の罰金を科す。

·        ゴミ箱を不当に扱った者は新たに2つのゴミ箱を購入する義務を負い、購入できない場合は逮捕される。

·        ゴミの不法投棄において、まずはゴミ箱に捨てるよう警告、従わなかった場合は30,000シリングの罰金を科す。

※以下の条例案は同意に至らなかったため、次回の会議に持ち越されることになった。

·        市場をより混雑させゴミを増やす2歳以上の子どもは買い物に連れて来るべきではない。

 

地域指導者たちから以下のアクションポイントと改善策が提示された。

·        障がい者議会は障がい者の家庭がゴミ箱までゴミを運ぶことができないことを想定し、家まで収集に回る支援をSORAKに要請した。

·        青年評議会は更に提案を出すべく地域住民との会議を再度開催することを要請した。

·        Zifa-Olaba roadやその他市場周辺地域にはルガンダ語と英語両方でゴミの不法投棄の罰金に関する警告が表示されるべきである。

·        同様の問題をそれぞれの地域でも抱えていることから、事業の拡大をGBNに要請する指導者たちがいた。

·        議長は指導者たちに地域住民へのゴミの管理に対する働きかけ、アドバイス、また誘導を行うよう勧めた。

·        開始時はゴミ箱のゴミを定期的に回収するべきである。

·        衛生管理やゴミの分別、リサイクルの重要性、適切なゴミの処理方法についての啓発活動は定期的に行うべきである。

·        ゴミ箱の表記はルガンダ語と英語の両方で書くべきである。

·        準郡長は農場でのゴミを削減するために、食べ物の皮や食べ残しを家畜に与え、有機廃棄物を肥料として使うよう農家に働きかけるよう地域指導者たちアドバイスした。

·        議長はゴミの条例違反に対する罰則金がSORAKや準郡の収入源となるのではなく、住民が条例に従い地域を清潔に保つために設けた罰則であることを説明した。

·        より多くのゴミを収集するために、より大きく、また多くのゴミ箱を要望する指導者たちがいた。

·        ゴミやゴミ箱を不当に扱った者は、まず準郡の裁判所に連れていき、その後審査し罰する。

·        準郡議長は徴収した罰金は準郡が管理し地域の発展に役立てることを明確にした。

·        違反者や違反事例によっては1週間、地域の清掃に従事するなどの他の罰則に科す場合もある。

·        次回の会議で更なる議論を行う予定である。

 




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