2017年も残りわずか皆さまお忙しくしていることと思います。
遅くなりましたが、今年の締めとして、8月にウガンダの事業地に訪問したときのご報告をさせて頂きます。
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2017年8月、Global Bridge Network(GBN)の大西がウガンダ共和国のムベンデ県で実施しているプロジェクト「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業(ウガンダ共和国)」の視察をしました!
◎今回は、生理用ナプキン作成トレーニングに参加した教員・生徒たちにインタビューをしました。!
1.プロジェクトの対象校であるチバリンガ初等学校(St. Josephs’ Kibalinga Primary School)にてトレーニングに参加した生徒たちに話を聞きました。
インタビュー①
:女子生徒1名
「私はトレーニングを受けたタイミングで初めて生理になりました。トレーニングを受けたおかげで、トレーニング中に作成した生理用ナプキンを使うことができ、さらにナプキンの使い方やきちんと洗って清潔に保つことを教わったおかげで、今は問題なく過ごすことができています。学校からも男子生徒に対して『女性なら誰もが経験することになる生理は自然の現象だから、からかってはいけない』と伝えてくれて、今では誰も生理になった女の子を笑わなくなりました。ただ、生理用ナプキンの作り方はわかったものの、自分たちで作成するための材料(布やミシンなど)がないこと、また学校で着替えの場所がないことが今の課題です。」
また、インタビューをした女子生徒はしっかりとした目で、
「私がトレーニングで教わったことは、他の生徒たちにも伝えていくことはできます。まずはもっと多くの女子にトレーニング受けてもらいたいけれど、男の子たちを巻き込むことも重要。彼らはこのトレーニングを受けることで、私たちの抱える生理についてもっと理解してくれるし、彼らも自分の姉妹や将来自分の子どもにもきちんと教えてあげることができるようになるから。」と、より多くの女子はもちろんのこと、男子生徒も一緒にトレーニングを受けて共に理解することの重要性を語っていました。
インタビュー②:男子生徒2名
「トレーニングを受講できたのは本当に良い経験になった。生理について、とても勉強になったし、これからは姉や妹が生理になったときに助けることができる。自分たちは女の子を笑いものにするのではなくて、守ってあげなければならないと自覚できた。それに、今は他の男子生徒にも、女性が誰もが経験する自然なことなんだ、と伝えている。」
生徒達の以上の証言から、トレーニングで作成した生理用ナプキンを正しく使っていること、学校でも積極的に男子生徒に生理になった女子生徒に対して理解するように指導していることが分かりました。しかし、生理用ナプキンの作成方法はわかりましたが、作成するための材料不足が課題とのことです。
◎余談ですが、写真(左から2番目)の男子生徒は、作成した生理用ナプキンをどうしたか聞くと、恥ずかしそうに「僕の彼女にプレゼントした」と答えてくれました!
2.ルワウナ初等校(Lwawuna Primary School)では、学校の校長先生や女性教員にお話を聞くことができました。
インタビュー③:校長先生
「今取り組もうとしているのは、保護者から少しだけお金を徴収して、保護者や生徒たちで生理用ナプキンを作成すること。そして、さらにそのナプキンを市場に売ることで収益を得て、継続していきたいと思っている。」
インタビュー④:女性教員
男子生徒の態度について、
「今まで生理になった女子生徒をからかっていた男の子たちが、笑うどころか、生理になったときにわざわざ『生理になった子がいるから助けてあげて』と伝えに来てくれた。今まではこんなことはなかった。」
また、教員や学生たちの間でも以下の変化が見られたとのことです。
「生理に関する衛生管理や性教育は非常に意義があった。トレーニングの後、みんな生理の問題についてオープンに話ができるようになった。アフリカの文化的にも、性について私たち教員もなかなか積極的に話ができなかったけれど、今はみんなでその問題について話せるようになった。」
しかし、以下の課題を挙げてくれました。
「トレーニングを通して知識は得た。問題は実行するための資金が学校にはない。」
学校の教員たちのインタビューを通して、学校が自ら案を出して取り組んでいこうとする姿勢が見られ、また学校全体の生理に関する衛生管理、性教育のあと、学校の生徒たちの変化がみられたことは素晴らしいと思いました。しかし、今後、この取り組みを持続するための資金、また布ナプキン作成の材料の調達が課題であることが分かりました。
◎トレーニングの後、学校側でも下記のような掲示をつくり、生徒たちの意識の向上を図るようになりました。
「STAY IN SCHOOL」=「学校に休まず通いましょう」
「ATTEND LESSONS DAILY」=「毎日授業を受けましょう」
3.ルワウナ初等校(Lwawuna Primary School)にて生理用ナプキン作成トレーニングに参加した生徒たちにも話を聞きました。
インタビュー⑤:女子生徒4名
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布ナプキントレーニングで作成したナプキン |
作成した布ナプキンを見せながら「トレーニングでは2つ作ったので、1つを学校で使い、帰宅してからもう1つのナプキンと取り換え、使用後のナプキンは洗って乾かしておけば、翌日にまた学校に行くのに使えるので、生理になっても欠席しなくなった。」
また、学校側の取り組みについて「学校は私たちが着替えるための部屋を用意してくれたけど、他の女の子たちがとても汚く使っているし、校長先生の隣の部屋だから恥ずかしい。」と正直に答えてくれました。
他の生徒たちにも、生理用ナプキンの正しい使い方、清潔にすることなどを教育していかなければならない、また学校側にもさらなる配慮が必要であるという課題はあるものの、学校側でも女の子に対してよい環境を与えようという意識が芽生えたことは素晴らしいと感じます。
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あの男子たち、以前は私たちのこと笑いものにしてたと話す女の子 |
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今ではやさしくなったねと女の子に言われ。。。 |
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下を向いて恥ずかしがる男子生徒 |
◎その他に、女子生徒たちは、「あの男子生徒たち(写真に写っている)、以前は私たちの生理をからかっていたけれど、今では優しくなった、生理になったときにそれを隠すためにセーターを貸してくれた!」と教えてくれました。自分たちのことを言われた男の子たちはみんな下を向いて恥ずかしがっていましたが、この男の子たちにもインタビューしました。
インタビュー⑥:男子生徒3名
「トレーニングはとても良い経験だった。自分が作ったナプキンを双子の妹にプレゼントしました!」
「僕は、前は女の子が生理になると笑ったりからかったりしていたけれど、トレーニングを受けて、生理が女の子にとって自然な現象だとわかったから、今は絶対に笑ったりしない」
「他の男子生徒にも、生理になった女の子をからかうのはいけないことだと伝えている。」
今回のインタビューを通して、教育(知識)がいかに大切なことかを実感しました。きちんとした知識を持てば、男子たちの態度も変わります。そして、生徒だけでなく、学校や保護者みんなで、女子の生理について真剣に考える機会となり、少しずつでも変化がみられたことはプロジェクトを実施する立場としては非常に嬉しく思います。
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最後にみんなでパチリ |
今後は彼らが中心となって他の生徒たちに伝えていこう、と一致団結しました!
4.今後について
今後は、少し材料を提供すること、そして自分たち自らナプキンを作り、生理に関する正しい知識、生理における衛生管理をしっかりすること、そして学校を休まず通える環境を整えるよう、学校や保護者、生徒同士でお互いにサポートしていく態勢を作っていくことが今後のこのプロジェクトを継続してくために重要だと感じました。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!!
2018年も皆さまにとって良い年になりますように!
*このプログラムは、株式会社ラッシュジャパン様からの助成により運営しております。