ブタンバラ女性の開発団体「BUWODEV」と協力しながら、性と生殖の健康に関するセッションを実施中のプロジェクトチーム |
<活動状況>
2.
女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送
3.
月経時の衛生管理のブックレット、及び教員トレーニングマニュアルの印刷
4. 対象校10校でのミシンの受け渡し(ムベンデ県)
5. 学校でのナプキン作成活動(ブタンバラ県)
7. Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)
8.
Happy-Padプロモーションセンターでのマスク生産(ワキソ県)
1. ラジオトークショーの実施(ムベンデ県)
11月 18日に「Luna Fm」で、1 時間のラジオトークショーを実施し、生理用品を購入できない女子生徒が快適に学校に通えるようサポートするように地域の住民に呼びかけた。主な話題は適切な月経時の衛生管理、女子の教育、そして対象校 10 校に設置したミシンやナプキン作成のトレーニング、ナプキンの使用方法、手入れ方法などであった。ナプキン作成トレーニングはエボラ出血熱の感染拡大が落ち着いた後に実施することを住民に説明した。
2.
女子の教育推進、布ナプキン利用者の増加を目的としたラジオスポットメッセージ(コマーシャル)の放送
月経時の衛生管理、女子生徒の教育、生理用布ナプキンに関するラジオスポットメッセージを以下の通り放送した。
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ムベンデ県:Luna FM (1 日 6 回 )
·
ワキソ県:
Voice Kiryagonja、Tiger FM (1 日 10 回)
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ブタンバラ県:Voice
of Butend(1日11回)、Voice of Kikambwe(1日10回)
3. 月経時の衛生管理のブックレット、及び教員トレーニングマニュアルの印刷
11月28日にブタンバラ県では月経時の衛生管理のブックレット300部、及び教員トレーニングマニュアル20部を印刷した。学校再開予定の2023年2月に配布予定である。
同様にムベンデ県、ワキソ県でも月経時の衛生管理のブックレット400部、及び教員トレーニングマニュアル40部を印刷した。
4.
対象校10校でのミシンの受け渡し(ムベンデ県)
11月10日~11日にムベンデ県の対象校10校で教員、テーラー、月経衛生管理クラブの立ち合いの元ミシンを受け渡した。月経衛生管理クラブの部員にはTシャツを配布し、翌年の新学期開始に合わせてナプキン作成トレーニングを行うことを約束した。
5. 学校でのナプキン作成活動(ブタンバラ県)
国内でのエボラ出血熱の感染拡大を受け、国が制定しているスケジュールよりも早い11月25日に長期休暇が始まったため、事業の活動を予定通りに進めることができなかったが、Bule初等学校、Ntolomwe初等学校、Nkokoma初等学校、Lwamasaka初等学校から要請を受け、学校終業前にナプキン作成の座学を開始することができた。
6.
地域での啓発活動(ブタンバラ県)
11月26日にンガンド準郡のBudinse
Memorial 学校に、地域に様々な学校から124名(男子56名、女子68名)の子どもたちが集い、地域で活動を行っているブタンバラ女性の開発団体「BUWODEV」との協力の下、1時間の性と生殖に関する健康セッションを行った。124名のうち32名(男子8名、女子24名)は事業の対象校となっているLwamasaka初等学校、Butende初等学校、Butalunga初等学校の生徒であり、残りの92名は対象となっていない学校の生徒であった。
このイベントは、孤児や弱い立場にいる子どもたちの救済やカウンセリング、指導を通しての経験を共有する3日間の催しであり、思春期における体の変化や、互いを守る意味での責任、月経中の女子生徒に対する男子生徒のサポートの重要性などを主なメッセージとして出席者に伝えた。また、女子生徒に対しては適切に月経時の衛生管理に取り組むように呼びかけた。
対象となっていない学校の生徒は対象校の生徒よりも控えめであったが、少人数のグループに分け、BUWODEVの女性司会者がセッションを始めた頃にようやく話し始めた。セッション内では、「16歳になっても月経が来ていなければ問題があると教わりましたが、18歳で月経が来た人がいたとすれば、それは普通ではないのでしょうか。」という質問があり、これに対し司会の女性は月経が遅れている場合は近くの大人か医師に相談するように助言した。
11月28日の集会には、50名の保護者(女性40名、男性10名)が参加し、生理中の女子、特に初潮を迎えた女子生徒への生理用品や感情的なサポートなど保護者が持つべき責任について認識を持つように促した。また、前日のセッションで子どもたちの発言が少なかったことから、子どもたちが自由に発言し易い環境を用意した。
7.
Happy-Padプロモーションセンター(ワキソ県)
11月は合計で28枚の布ナプキン、262個の包装用ポーチを生産した。エボラ出血熱の感染拡大受け、予定されていた長期休暇開始日よりも早くに学校を終業するよう政府が要請したため、学生を対象にしたトレーニングは実施しなかったが、地域住民へのトレーニングは9名を対象に実施した。また、11月はナプキンを3セット販売することに成功した。今後は宣伝を兼ねた店舗訪問や、女性が多く集まる地域の集会や美容院などの場所での交流を通し、販売拡大を図る。
8. Happy-Padプロモーションセンターでのマスク生産(ワキソ県)
新型コロナウイルスに加えエボラ出血熱の感染が国内で拡大し、予防を目的にマスクの着用が推奨されていたため、プロモーションセンターで500枚のマスクを生産した。センターで生産したマスクは販売用ではなく無料配布用とし、 ワキソ県の子どもたちを対象に155枚のマスクを配布した。12月~1月は生産数を更に追加し、学校再開時にムベンデ県の対象校に配布予定である。
大統領は12月2日にコロナウイルス感染者の報告数が1日50件程度あることを発表し、今後も国が定めた標準作業手順 (Standard Operating Procedures)に従うように国民に呼びかけた。
<事業による効果的な影響およびもたらした変化>
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ナンサナ市内のKiryagonja、Kasalirwe、Kirinnyabigo、Lwadda-Kyondo、Najjemba、Nasseなどの「Voice of Kiryagonja」ラジオ局周辺の地域に住む住民は、スポットメッセージを通して活動への理解が深まってきている。(ワキソ県)
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対象校の生徒が対象となっていない学校の生徒よりも性と生殖の健康セッション内で良い反応を示していたことから、活動を通して月経衛生管理や性と生殖の健康などへの認識が向上していることが分かった。(ブタンバラ県)
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同じ地域内で活動する他の団体と協働することで、対象となっていない学校に通っている子どもたちとの知識量の差を測ることができた。また、健康や思春期に関連する問題において情報を共有できるように、子どもと積極的に話し合い、活動への参加を促すように保護者に奨励した。(ブタンバラ県)
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ラジオのリスナーは、ミシンを学校に設置したこと、また月経時の衛生管理やエボラ出血熱に関する貴重な情報をラジオを通して伝えていることに対しSORAKに感謝していた。(ムベンデ県)
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ミシンの受け渡し日に参加していた生徒・教員は、ミシンの設置を歓迎しており、学校再開後に開始予定の布ナプキン作成トレーニングへの興味を示していた。(ムベンデ県)
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プロモーションセンターで生産したナプキンの品質を地域住民が高く評価していることがナプキンの宣伝・販売を通して分かった。(ワキソ県)
<直面した問題>
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エボラ出血熱の感染拡大により教育省が学校に閉鎖要請を出し、学校側も早急に対応するためにスケジュールを変更したため、11月に3県の全ての対象校で実施予定であった学校施設修繕のモニタリングや生徒を対象にしたナプキン作成トレーニングを実施することができなかった。
(ムベンデ県)
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旧バージョンの月経時の衛生管理ブックレットが(保健省からのリバイス要請により)回収して以降、生徒たちが利用できる読み物がなにもなかった。(ブタンバラ県)
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エボラ出血熱の感染拡大を受け、10月16日~12月17日までロックダウンが発表された。これにより、予定よりも早い11月25日に学校が閉鎖し、学習及び事業の活動に影響が出た。(ムベンデ県)
<提案>
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学校施設修繕のモニタリング活動は2月に学校が再開し次第実施するべきである。
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対象校以外の生徒が活動に参加すれば、より多くの住民への啓発につながる。
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他のコミュニティのグループが活動に参加すれば、事業による効果をより大きなものにすることができる。