地域住民が発案した条例案の改善及び補足のため準群の専門チームが議論を進めている。 |
<各活動の進捗状況>
活動1.1情報やメッセージを地区全体に届けられるコミュニティラジオのシステムの導入
コミュニティラジオ放送局の設置に際して個人や組織は国から許可を得る必要があるが、SORAKは許可を申請し無事ラジオ運営の許可が下りた。ラジオは広範囲に情報を届けることができるうえ、メガホンよりも音質が良く、優れているといえる。3月25日にはラジオ電波塔を設置、その他運営に必要な機材や設備も随時調達していき、5月末までにはラジオ放送の準備が整う予定である。それまでの期間は、これまで同様既存のコミュニティラジオ「voice of Lusalira」のメガホンを利用しゴミ分別の啓発を行っていく。
ラジオ放送局となる場所に設置した電波塔 |
ラジオ放送局となる家屋の復旧作業
FMラジオを設置予定の防音対策を施した家屋は、ラジオ設置に最適な立地であるチバリンガ準群に位置している。現時点ではまだ復旧作業中だが、5月末にはラジオ放送を開始する予定である。
内部の補修作業 内壁の塗装後 |
外壁の補修作業 外壁の塗装後 |
活動 1.2 住民に向けての環境教育トークショー(30分間/日)
ルサリラ地区にある既存のメガホンを使ったトークショーを計3回(2022年3月9日、4月2日、12日)実施した。SORAK代表、プロジェクトマネージャー、プロジェクトオフィサー、監視・評価オフィサーが出席し、地区内の適切なゴミ収集について啓発を行った。具体的には分解可能な生ごみなどの有機廃棄物、汚水などの液体廃棄物、割れた瓶などの有害廃棄物、分解しない紙おむつなどの固形廃棄物などゴミに種類があることを住民に認識させ、ゴミの分別方法及びリサイクルについての話をした。
ラジオのトークショーの中でプロジェクトスタッフが適切なゴミの処理方法において啓発をしている。 |
活動 1.3 環境教育及び啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルの放送(1日5回)
4月28日に予定していた地域のボランティア清掃活動及び集会への参加を呼び掛けるラジオコマーシャルを4月25日~28日の期間、「voice of Lusalira」のメガホンを通して1日5回放送した。環境保全グループのメンバーもそれぞれ個々に集会への出席を呼び掛けてくれ、そのような形でも活動に協力してくれた。
<ラジオコマーシャル> ウガンダの皆さん、ゴミの廃棄をきちんとしないことは、各家庭においても地域においても悪影響であることをご存じでしょうか。不適切なゴミの廃棄はコレラや下痢などの深刻な病気の原因となり私たちの生活に害を与えます。ゴミの焼却もまた、どのような方法であっても環境破壊につながります。 SORAKは地域の自主的な清掃活動を支援し、そしてルサリラ地区の住民の皆様に活動への参加を呼びかけます。ゴミの適切な処理に関する条例の制定において議論する会議も行います。 環境を清潔に保つための本活動は4月28日に予定していますので、皆様のご参加をお待ちしております。 以上、Global Bridge Network-Japan並びにSORAKからのメッセージでした。 |
各所に設置予定のゴミ箱を発注した。
活動 3.1 廃棄物の投棄や分別を監視する地域の環境保全グループ
ゴミの適切な処理法に関するラジオトークショーの効果を見極めるため、SORAKチームはチバリンガ準群長及び地域の指導者たちと協力し地域の監視に取り組んだ。結果として大きな効果があったことが判明した。ゴミ箱の設置前であるにもかかわらず、環境保全グループの協力のもと住民が自らゴミを袋にまとめ、それをトラックで収集場まで運んでいた。
住民たちはゴミをどこにでも廃棄する習慣を改め、収集したゴミを袋に詰め収集車が来る場所一ヵ所に廃棄するようになった。 |
活動3.2 廃棄物の投棄を規制する条例の制定とその強化
4月25日、地域の住民及び指導者たちと条例制定に関する議論を行う集会の日程を調整するため、SORAK代表とプロジェクトオフィサーは準群長を訪問し、計画会議を実施した。そこで準群長は集会を4月28日に行うことを提案した。
準群長、SORAK代表、準群議長が計画会議を行っている様子 |
4月28日、SORAKチームは地域住民、準群長、専門委員とともに適切なゴミの管理を目指す条例の考案及びその議論を行う集会を実施した。まずは地域住民からに意見を聞く会議を実施し、その後住民から出た提案をもとに議論した。議論の後に考案された条例は正式な制定に向けて5月5日に議会へ提出予定である。詳細は以下の付録にあるとおりである。
準群長とSORAKスタッフ、地域住民が集会でゴミの適切な管理方法に関する条例の考案に向けて議論を交わしている様子 |
<今後の計画>
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ゴミの分別及びゴミの安全な廃棄を促進し支援するため、調達したゴミ箱を各所に設置する。
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環境教育と啓発活動を宣伝するラジオコマーシャルを1日5回、プロジェクト期間中放送する。
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ゴミの適切な管理方法に関する条例の最終制定は5月5日に予定されている。
<事業による効果的な影響およびもたらした変化>
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ラジオトークショーのリスナーの多くはゴミに様々な種類があること、分別やリサイクルに関して無知であったことを認識し感銘を受けていた。このことはラジオを聴いていたリスナーが、ゴミに関する有益な情報に対しプロジェクトチームに感謝を示す電話をかけてきたことで判明した。
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チバリンガ準群の地域住民はラジオの新設場所としてチバリンガ準群が選ばれたことに感謝していた。
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地域住民は条例の検討会議に参加できたことを非常に喜んでいた。
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準群長をはじめとする専門委員会や地域の指導者たちもこのような重要な事業が当地域で実施されることに対しGBNとSORAKに感謝した。
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この事業がチバリンガ準群の他の地域にも拡大することを望んでいる指導者たちもいた。
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住民たちはゴミをどこにでも廃棄する習慣を改め、収集したゴミを袋に詰め収集車が来る場所一ヵ所に廃棄するようになった。
<直面した問題 >
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各家庭へのゴミ箱の配布など、地域住民は過大な期待を寄せていたこと。
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コミュニティラジオ運営の必要条件に関するフィードバックを受けるのに遅れが生じたこと。
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会合の開催が遅れ、結果として事業の進捗に遅れが生じていること。まもなく開催予定の会合内で規制を設け、条例の制定ができることに期待している。
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設置用ゴミ箱の費用を現金で受け取り、購入などの仕事を自分たちで引き受けたいという指導者たちもいた。
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提案された条例に対し反対する住民もいたため、制定予定の条例が地域に与える成果を説明する必要があり、余計な時間がかかった。
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協力的でない地域指導者や住民も存在し、集会に参加しなかった者もいた。
<教訓>
1-
SORAKから受けている支援を適切に活用せず、また感謝するかわりに過大な期待を寄せる地域住民がいることを認識した。
2-
このような事業は地域において非常に重要であるため、他の地域への拡大が期待されている。
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