2021年11月 JICA 月次レポート
表敬訪問の様子(左から順にブタンバラ県、ワキソ県、ムベンデ県) |
対象地域における事業計画の導入及びベースライン調査
■2021年11月16日~11月22日(事業の導入)
■2021年11月29日~12月6日(ベースライン調査のデータ収集)
<活動状況>
活動の対象地域であるワキソ県・ブタンバラ県・ムベンデ県、それぞれの県の最高責任者であるCAO(Chief Administrative Officer)と連携を取りながら、事業の導入を始めた。まず、CAOへ表敬訪問の際には、(JICAからの)CAOへの紹介状、Global Bridge Network(GBN)、JICA, SORAKとの間で交わしたミニッツ(合意書)や事業計画書などの書類を持参し、本事業の説明・紹介をした。その際に、各県の地方政府にて、以下の学校を対象校として選抜してもらった。 下記、*各県にて選抜した対象校(全30校)参照
以下の各県にて選抜された対象校にて、ベースライン調査を開始した。データ収集の作業は12月6日まで継続する。よってベースライン調査の詳細は、12月の月次報告書、及びベースライン調査報告書にて明らかにする予定である。
<*各県にて選抜した対象校(全30校)>
ムベンデ県 |
ワキソ県 |
ブタンバラ県 |
² Christ the King
Nkadwa ² Kabbowa primary
school ² Kasaana Church of
Uganda ² COWADISA primary
school (Kibalinga Sub- County) ² Kategga Primary
School ² Dyangoma Primary
School ² Ikular Primary
school(Kigando Sub- County) ² Kiyiita primary
school ² Kassasa Primary
School ² Gwanika primary
school (Nabingoola Sub- County) |
² Lwadda Church of
Uganda primary school ² Kitanda Church of
Uganda primary school ² Ssanga Church of
Uganda primary school ² Buwambo Church of
Uganda primary school ² Kirolo UMEA primary
schools ² Kigoogwa Moslem
primary school ² Kitungwa church of
Uganda primary school (Gombe Division) ² Maganjo UMEA
primary school ² Jinja Karoli
primary school ² 10-Kanyange Mixed
primary school (Nabweru Division) |
² Butalunga Catholic
School ² Butende UMEA ² Kitagobwa Catholic
School ² Lwamasaka UMEA ² Kiwala UMEA
(Ngando Sub- County) ² Nkokoma Catholic
School ² Nawango Church of
Uganda ² Bule UMEA (Bulo
sub-county) ² Ntolomwe UMEA ² 10-Kayenje
Catholic School in (Gombe Sub- County) |
<事業による効果的な影響およびもたらした変化>
本事業は女子生徒が安心して通学できるような状況の改善に希望が持てると各県で歓迎された。また、本事業は様々な学校、例えば、在校生が多い学校も、支援がほとんど受けられていないような学校も、いずれの学校も支援する事業であると認知された。
ブタンバラ県ではこの事業がきっかけとなり、女性調査官を募集・雇用する必要があると認識した。これは本事業が女性に関連する内容であるにも関わらず、県内の教育管理部には女性が一人も在籍していないことに気付いたからである。これを受け、CAOは月経時の衛生管理事業における経過観察をより効果的に行うことができる女性調査官をすぐに雇用するとの意向を示した。また本事業の実施者であるJICA、GBN、SORAKはWASH(Water, Sanitation and Hygiene:水と衛生)実施においても重要なパートナーになると認識された。
ムベンデ県では、県の学校調査官が女子生徒の出席率向上につながる活動だと喜んだ。特に本事業は長期ロックダウン後の現在にふさわしいプロジェクトであるとし、SORAKをはじめとするパートナーに感謝を示してくれた。
ワキソ県では、県の副責任者がこの事業を歓迎し、その後プロジェクトチームを県の教育長に紹介してくれた。教育委員は支援が届いておらず手を付けられていない地域も対象にしていることに感心し、ナンサナ市の管轄下にあるナブウェル及びゴンべでの活動を勧めてくれた。ナンサナ市での滞在中、市の教育長であるルワンガ氏にも歓迎され、彼はその場ですぐに活動対象校10校を選定してくれた。その後紹介された副書記官はSORAKの尽力に感謝し、ナンサナ市での活動を正式に受け入れた。
どの県の責任者もJICAという日本の国際協力機構について常々耳にし、様々な分野の発展において重要なパートナーであることを認めており、本事業がJICAの事業であることから、不十分な教室のスペースやトイレの不足など様々な他の課題に対しても支援してくれるのではないかと期待を持った。SORAKは本事業が女子トイレの改善を目的とした限定的なパイロットプロジェクトであることを説明したが、県の責任者の表敬訪問においても、想定以上のサポートを期待されていることを確認した。
<直面した問題>
Ø ブタンバラ県への表敬訪問時、CAO(県の最高責任者)が他の会議に出席しており長時間待たなければならないことがあったが、その時間を使って県議長と会うことができた。
Ø ンガンド地域のインターネット接続は非常に弱く、調査チームがオンラインのアンケート(ネットを通した質問票)を実施することが困難であった。オンラインアンケートが実施できればリアルタイムで回答を得てデータ収集ができるが、地域のネット環境によりできなかった。そこで、音声を録音しておきインターネットが繋がる場所に移動した後に対応することで対処した。
Ø 多くの部族で構成されるムベンデ県にて、ローカル言語に馴染みのないプロジェクトチームのスタッフが対象校にて英語を話せない女子生徒(英語はウガンダの公用語)とのコミュニケーションをする際に言葉の壁が生じたが、現地のローカル言語が分かる事業のボランティアに女子生徒との通訳を担ってもらうことで対応した。
Ø ワキソ県では、雨季のため道路状況が悪く、予定を翌日などに変更せざるを得ない状況となった。しかし、このような状況に忍耐強く向き合い、個別に日程を調整することで予定通り事業を実施した。
<教訓>
政府は現在、テロの脅威増加に伴い、NGOや市民団体と協働することに関して非常に敏感になっている。これはNGOの中には政治的目的をもって活動し、他の団体に不利益をもたらすような組織が存在するからである。活動を円滑に行うためには県の地方政府機関やセキュリティオフィスに前もって活動内容を通知することが重要であることを学んだ。
女子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子 (ワキソ県ナンサナ市ゴンべ サンガ小学校) |
男子生徒たちとのフォーカスグループディスカッションの様子 (ムベンデ県チガンド準郡 イクラ小学校) |
事前調査の前に説明を受ける生徒たち (ワキソ県ナンサナ市ナブウェル マンガンジョUMEA小学校) |
トイレの現況 (ワキソ県、ナンサナ市、ゴンべのチタンダ小学校) |
女子生徒によるフォーカスグループディスカッション (ムベンデ県チバリンガ準郡 カウォディサ小学校) |
ナンサナ市教育長とのインタビュー |
<関係者のコメント>
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